Asu Capital PartnersとDeNAが共同で提供する日本初の居住型創業支援プログラム「AG1」の第3期募集を開始。起業家が居住しながら資金・メンタリング・ネットワークを得られる新型支援制度。
出典: tv-tokyo.co.jp

開業ジャパン編集長より
編集長の視点
Asu Capital PartnersとDeNAが共同で手がける居住型創業支援プログラム「AG1」が第3期の募集を開始したというニュースです。起業家が一定期間「住みながら」資金提供やメンタリング、他の起業家とのネットワークを得られるという触れ込みで、日本ではあまり例のない形態の支援策として注目されています。フランチャイズ加盟や独立開業を考えている読者の方にとっては直接の対象にはならないケースが多いかもしれませんが、「創業支援の選択肢が多様化している」という業界トレンドを知る材料として押さえておく価値があります。
居住型支援という新しい枠組み
従来の創業支援といえば、公的機関の創業融資、自治体の補助金、あるいは民間のインキュベーション施設に机を借りて事業計画をブラッシュアップするようなスタイルが主流でした。今回の「AG1」はそれらとは一線を画し、起業家が一定期間同じ場所で共同生活をしながら資金・メンタリング・ネットワークをまとめて得られる仕組みだとされています。海外ではシリコンバレーを中心に「レジデンシー型」と呼ばれる起業家育成の形が以前から存在しており、寝食を共にすることで生まれる情報交換や刺激が事業の立ち上げ速度を高めるという発想が背景にあります。日本でこうした形態が本格的に始まり、しかも第3期まで継続しているという事実は、一定のニーズと手応えがあることを示していると言えるでしょう。
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なぜ今こうした支援が増えているのか
日本国内では長らく「開業のハードルの高さ」が課題とされてきました。資金調達の難しさ、相談相手の不在、孤独な意思決定といった要素が独立を思いとどまらせる要因になってきたと言われています。近年は日本政策金融公庫の創業融資や自治体の補助金制度に加え、民間企業やベンチャーキャピタルが主体となって伴走型の支援を行う動きが徐々に広がっています。今回のプログラムのように大手事業会社が名を連ねる形は、支援する側にとっても新しい事業領域の開拓や有望な起業家との早期の接点づくりという狙いがあると考えられます。開業支援そのものが一つの「事業」として成立しつつある、という業界構造の変化も併せて理解しておくとよいでしょう。
開業検討者にとってのチャンスと限界
こうしたプログラムの意義は、資金だけでなく「相談できる相手」と「同じ立場の仲間」を同時に得られる点にあります。特に一人で開業準備を進めている方にとっては、事業計画の壁打ち相手がいるかどうかで進捗も精神的な負担も大きく変わってきます。メンタリングやネットワークは、独立開業でもフランチャイズ加盟でも本来重要な要素であり、こうした支援の形が広がること自体は開業希望者全体にとって前向きな材料と言えます。
一方で、居住型という性質上、対象となる業種や事業規模、応募条件はおのずと限定されると考えられます。一般的にこの種のプログラムはIT・スタートアップ色の強い事業を想定していることが多く、飲食店や小売、フランチャイズ加盟のような「店舗ビジネス」の開業とは前提が異なる可能性があります。募集要項の詳細を確認し、自分の事業モデルが対象に合致するのか、期間中の生活や既存の仕事との両立がどうなるのかは、応募前にしっかり見極める必要があります。また支援を受けることと引き換えに株式や事業の一部を提供する契約形態が一般的な創業支援プログラムでは存在するため、条件面は必ず自分の目で確認する姿勢が欠かせません。
編集長の結論: 選択肢は増えても検証は自分で
編集長としては、このようなプログラムの登場自体は歓迎すべき動きだと感じています。開業を考える人が「融資を受けるか、フランチャイズに加盟するか」の二択だけでなく、伴走型の支援を受けながら事業を育てるという第三の道を選べるようになるのは、業界全体にとって健全なことです。ただし、目新しい制度ほど情報が限られ、実態が見えにくいという側面もあります。第3期まで続いているという実績は一つの安心材料にはなりますが、それが自分の事業や状況に合っているかどうかは別問題です。華やかな触れ込みに引っ張られず、対象業種、費用負担の有無、支援終了後に何が残るのかといった基本的な条件を一つひとつ確認したうえで、応募するかどうかを判断していただきたいと思います。開業の入り口が増えることは良いことですが、最終的に事業を続けていくのは自分自身だという原則は、どんな支援制度を使っても変わりません。
※開業ジャパン編集部の見解です。加盟・投資のご判断はご自身の調査・専門家への相談とあわせて行ってください。
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