フランチャイズ

FC説明会の質問チェックリスト30の使い方|本部の本音を引き出す聞き方

2026/8/29 更新

FC説明会の質問チェックリスト30の使い方|本部の本音を引き出す聞き方

フランチャイズ(FC)の説明会に行く前に、多くの人がこう考えます。「とりあえず話を聞いてから考えよう」。

これが一番危ない入り方です。手ぶらで行くと、本部が用意した順番で、本部が話したいことだけを聞いて帰ることになります。その場では納得できます。家に帰って数日たつと、何も判断材料が増えていないことに気づきます。

この記事では、FC説明会で使う質問チェックリスト30の作り方と、実際の使い方をまとめます。「30個の質問文を丸暗記する」話ではありません。質問を6つの箱に分けて、箱ごとに答えの合格ラインを先に決めておくという手順の話です。

FC説明会の質問は「30個」を6つの箱に分ける

質問を30個も用意すると聞くと多く感じますが、6分野×5問と考えると現実的です。

箱何を確かめる箱か質問数の目安
①お金初期費用の総額と、契約書に書かれない実費5問
②収益モデル数値の前提条件(誰の・いつの・何店舗の数字か)5問
③契約契約期間、更新、途中でやめるときの条件5問
④支援研修、開業後のサポート、担当者の訪問頻度5問
⑤territory(エリア)近くに別の加盟店を出されない保証があるか5問
⑥人本部の人員体制、加盟店の離脱状況5問

※テリトリー=自分の店の営業エリアのこと。近くに同じチェーンの店ができると売上が分散するため、その保護があるかを確認する項目です。

30問を全部その場で聞ける説明会はまずありません。説明会は1回で終わらせないのが前提です。説明会で①②③の15問、個別面談で残りの15問、というふうに分けます。

質問リストは「本部の資料」から逆算して作る

いきなり質問文を考えないでください。順番はこうです。

  1. 説明会前に、その本部の公式ページと資料請求のPDFを読む
  2. 書いてあることを線で消す(それは質問しない)
  3. 書いていないことだけを質問リストに残す

説明会の時間は限られています。パンフレットに載っている加盟金の額を質問するのは、その時間を捨てているのと同じです。逆に、パンフレットに載っていない項目こそが、本部が説明したくない部分か、単に整理できていない部分のどちらかです。どちらでも、あなたにとっては重要な情報になります。

実際に、公式に数字が公表されているブランドとそうでないブランドがあります。例えば当サイトが掲載しているお掃除のえる(お掃除・お庭サービス)は、次の数字が本部から公表されています。

項目公表値
初期費用105万円〜(キャンペーン適用時。通常200万円)
加盟金30万円
ロイヤリティ売上の25%
モデル売上月商132万円 / 手取り約32万円
期間利益月32万円(手取りモデル)

※上記は本部公表値です。時期により変動します。最新情報は必ず公式サイトで確認してください。

ここまで出ているブランドなら、説明会で聞くべきは「この数字は誰の実績か」に移せます。逆に、この表の1行も埋まらないブランドは、その空欄がそのまま質問リストになります。

箱ごとの「合格ライン」を先に決めておく

チェックリストで一番大事なのは、質問文ではなく答えを聞いたあとの判定基準です。これを先に決めていないと、その場の雰囲気で「まあ、そんなものか」と流してしまいます。

箱質問例合格ラインの例
①お金105万円のほかに、開業までに自分で払うお金は何がありますか項目名と概算額が口頭で即答できる
②収益そのモデル売上は何店舗の平均で、いつの期間の数字ですか店舗数・期間・地域を答えられる
③契約契約を3年目でやめる場合、違約金はいくらですか金額または計算式を答えられる
④支援開業後、担当者は月に何回来ますか回数を数字で答えられる
⑤エリア半径何kmまで他の加盟店を出しませんか契約書の条文番号を示せる
⑥人直近3年で何店舗が閉店・契約解除しましたか数を答えられる、または「答えられない理由」を説明できる

共通しているのは、**「数字か、契約書の条文か、どちらかで返ってくるか」**です。ここが「ケースバイケースです」「加盟店さん次第です」で埋まる本部は、良し悪し以前に情報が整理されていない可能性があります。

相談・面談のイメージ

答えをはぐらかされたときの「二の矢」の型

説明会でよくあるのは、悪意ではなく、担当者がその場で答えを持っていないケースです。そのときに引き下がると、質問が丸ごと消えます。次の3つの型を用意しておいてください。

型1:数字に落とす 「加盟店さんによります」→「では、一番良かった店と一番悪かった店で、月商はいくらといくらでしたか」

型2:書面に落とす 「あとで確認します」→「では、その回答を書面かメールでいただけますか。いつごろになりますか」

型3:根拠に落とす 「だいたい半年で回収できます」→「その回収期間は、返済前の数字ですか、返済後ですか。自分の人件費は入っていますか」

型3は特に重要です。フランチャイズの「利益」や「回収期間」は、借入の返済前・税金を引く前・オーナー自身の給料を含まない状態で語られることがあります。同じ「月32万円」でも、そこから返済と税金と自分の生活費が出ていくなら、手元に残る額はまったく違います。この3点を確認するだけで、数字の意味がはっきりします。

説明会当日の進め方(タイムライン)

タイミングやること
前日30問を印刷。優先15問に印をつける
開始前「メモを取ってもいいですか」と一言確認
説明中質問はためない。1つの話題が終わるたびに聞く
質疑応答印をつけた15問のうち、まだ埋まっていないものだけ聞く
終了直後帰り道で、答えを「数字・条文・不明」の3つに仕分ける
当日中未回答分をメールで送る(型2の実行)

録音は、必ず相手の許可を取ってからにしてください。無断録音は関係を壊します。「後で家族に説明したいので」と伝えれば、断られることはあまりありません。

持ち帰ったあとにやる3つの検証

説明会で聞いた話は、その場では全部正しく聞こえます。家で以下の3つをやってください。

  1. 法定開示書面と突き合わせる — 中小小売商業振興法などで、本部は加盟前に一定の書面を交付する義務があります(業種により対象が異なります)。口頭の説明と書面の内容が食い違っていないかを確認します。制度の詳細や最新の運用は、中小企業庁など公式サイトで確認してください。
  2. 既存の加盟店に自分で会う — 本部が紹介した店だけでなく、自分で探した店にも行きます。「本部の紹介以外の店を訪問してもいいですか」と本部に聞き、渋られるかどうか自体が情報になります。
  3. 数字を自分の条件で引き直す — モデル数値は本部の条件です。自分の地域の家賃、自分が使える時間、自分の借入額で計算し直します。

「聞かない方がいい質問」はない、ただし聞き方はある

最後に。「こんなことを聞いたら審査に落ちるのでは」と心配する人がいます。ここは誤解しやすいところです。

厳しい質問をする人を嫌がる本部も、実際にはあります。ただ、それは加盟後にトラブルになる本部である可能性が高いというだけの話です。長く続いている本部ほど、質問を歓迎します。加盟後に「聞いていなかった」と揉めるほうが、本部にとっても損だからです。

聞き方だけ整えてください。「疑っている」ではなく「本気で検討しているから確認したい」という立ち位置です。

  • ✕「その数字、本当ですか」
  • ○「家族に説明する必要があるので、根拠を教えてもらえますか」

同じ内容でも、後者なら担当者も答えやすくなります。


質問リストを作る前に、そもそも自分がどのタイプの開業に向いているかを整理しておくと、説明会で聞くべきポイントが絞れます。所要3分の開業診断で、自分の適性と資金感を先に確認しておいてください。どのブランドの説明会に行くか迷っている段階なら、フランチャイズ一覧から条件で絞り込むところから始められます。

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