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学習塾のフランチャイズは儲かる?手取り月5万〜143万円、28倍の差を生む固定費の正体

2026/9/19 更新

学習塾のフランチャイズは儲かる?手取り月5万〜143万円、28倍の差を生む固定費の正体

結論:学習塾フランチャイズの手取りは月5万〜143万円。同じ「塾」でも28倍ひらく

学習塾のフランチャイズ(FC)は儲かるのか——先に数字から出します。

当サイトに掲載している3ブランドの本部公表データを並べると、手元に残る金額は 月5万円から月143万円 まで、およそ28倍の開きがあります。

項目高橋塾ポラリスアカデミアスタディコーチ
初期費用270万円(目安200〜300万円)800〜1,000万円620万円
加盟金100万円200万円200万円
ロイヤリティ売上の12%売上の15%売上の15%
モデル月商15万〜250万円(講習期は最高300万円)245万〜429万円(生徒30〜60名)273万円(生徒52名想定)
返済前・税前に残る額(月)5万円〜45万〜143万円63万円
返済後に残る額(月)約1.6万円〜(編集部逆算)約32万〜133万円(編集部逆算)約55万円(編集部逆算)
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表本部未公表

※金額はいずれも本部公表値。時期によって変動します。最新情報は各公式サイトで必ず確認してください。 ※「返済後」は編集部逆算です。初期費用の全額を日本政策金融公庫などで借り、年利2%・7年(84回)の元利均等返済にした場合の月返済額(270万円→約3.4万円、620万円→約7.9万円、800万円→約10.2万円、1,000万円→約12.8万円)を差し引いています。自己資金が多ければこの負担は減ります。 ※「自分の人件費」とは、あなた自身が教室長として働く分の給料のことです。3ブランドとも、公表されている利益額にこれが含まれるかどうかは公表されていません。つまり上の「残る額」は、あなたの給料を引く前の数字である可能性があります。ここは加盟前の面談で必ず聞くべき項目です。

この表で一番大事なのは、金額の大小ではありません。高橋塾は月商15万円でも成立するモデルで、ポラリスアカデミアは月商245万円が出発点という、そもそもの事業サイズの違いです。ここを取り違えると、「利益143万円」という数字だけを見て、月100万円以上の固定費を背負うことになります。

以下、その内訳を分解していきます。


何にいくら消えるのか|月商245万円の内側を割ってみる

売上がそのまま手元に残るわけではありません。本部公表の「月商」と「月間利益」の差額が、あなたが毎月払い続けるコストです。

ポラリスアカデミア(生徒30名・月商245万円のケース)

項目金額(月)内訳の中身
売上245万円生徒30名 × 約8.2万円(編集部逆算)
ロイヤリティ(15%)約36.8万円本部に払う会費。売上に比例して増える
その他の経費約163万円(編集部逆算)講師人件費・家賃・広告費・教材費・光熱費など
返済前・税前に残る額45万円本部公表値
返済後に残る額約32万〜35万円(編集部逆算)初期費用800〜1,000万円の返済を引いた場合
自分の人件費の扱い本部未公表上記に含まれるかは要確認

生徒1人あたりの月謝が約8.2万円。これは個別指導・難関大受験特化という業態だからこその単価です。

スタディコーチ(生徒52名・月商273万円のケース)

項目金額(月)内訳の中身
売上273万円生徒52名 × 約5.3万円(編集部逆算)
ロイヤリティ(15%)約41万円売上に比例
その他の経費約169万円(編集部逆算)講師人件費・家賃・広告費など
返済前・税前に残る額63万円本部公表値
返済後に残る額約55万円(編集部逆算)620万円を7年返済した場合
自分の人件費の扱い本部未公表上記に含まれるかは要確認

事業計画と資金の内訳を確認する

同じ「売上の15%」というロイヤリティでも、ポラリスは生徒30名で月商245万円、スタディコーチは52名で月商273万円。ほぼ同じ売上をつくるのに、必要な生徒数が1.7倍違います。

これが何を意味するか。生徒1人を集めるコスト(広告費・チラシ・体験授業の手間)がほぼ同じだとすると、単価が高いブランドのほうが、少ない集客で売上をつくれるということです。逆に言えば、単価8万円を地域の保護者が払ってくれるエリアかどうかが勝負になります。

一方の高橋塾は、ロイヤリティが12%と3ポイント低く、月商15万円というごく小さい規模からでも成立する設計です。月商250万円まで伸ばせれば、12%のロイヤリティ差(15%なら37.5万円、12%なら30万円)が毎月7.5万円の違いになります。

投資回収の目安も逆算しておきます(いずれも編集部逆算・返済前の利益ベース)。

  • 高橋塾:270万円 ÷ 月5万円 = 約54ヶ月(4年半)。ただしこれは公表された利益の下限で計算した数字で、月商が伸びればもっと早まります
  • ポラリスアカデミア:800万〜1,000万円 ÷ 月45万〜143万円 = 約7〜23ヶ月
  • スタディコーチ:620万円 ÷ 月63万円 = 約10ヶ月

数字だけ見るとポラリスが最速に見えます。ただしこれは「モデル通りに生徒が集まった場合」の話です。次のセクションが本題です。


生徒が半分になった月に、何が起きるか(編集部逆算)

塾の売上は「生徒数 × 月謝」でほぼ決まります。飲食店のように客単価を上げたり回転率を上げたりする余地が少なく、在籍数がそのまま売上の天井です。

では、モデル通りにいかず生徒が半分になったらどうなるか。編集部で逆算してみました。

前提:家賃・教室長の人件費・基本の広告費といった「生徒が減っても消えない費用」を、経費全体のおよそ8割と仮定しています。講師のコマ給や教材費だけが減る形です。

ポラリスアカデミア(生徒30名 → 15名)

項目モデル(30名)半減時(15名・編集部逆算)
売上245万円約123万円
ロイヤリティ(15%)約36.8万円約18.4万円
その他の経費約163万円約130万円(8割が固定と仮定)
返済前・税前に残る額45万円約-25万円
返済後に残る額約32万〜35万円約-35万〜-38万円
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表(引く前でこの数字)

スタディコーチ(生徒52名 → 26名)

項目モデル(52名)半減時(26名・編集部逆算)
売上273万円約137万円
ロイヤリティ(15%)約41万円約20.5万円
その他の経費約169万円約135万円(8割が固定と仮定)
返済前・税前に残る額63万円約-18万円
返済後に残る額約55万円約-26万円
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表(引く前でこの数字)

売上が半分になると、利益は半分ではなくマイナスに転落する。これが固定費の怖さです。家賃も教室長の給料も、生徒が15人でも30人でも同じだけ出ていくからです。

そして重要なのは、高橋塾のモデルはこの計算をしても崩れにくいという点です。月商15万円というラインから設計されているということは、そもそも背負っている固定費が小さいということ。教室を大きく借りず、講師を大量に抱えない構造であれば、生徒が減った月も持ちこたえられます。

上限が低いモデルは、下限も浅い。上限が高いモデルは、下限も深い。 学習塾FCの選択は、ほぼこのトレードオフの選択です。

「自己資金が少ないから安いほうを選ぶ」ではなく、「何ヶ月、赤字に耐えられるか」から逆算してブランドを選んでください。生徒が集まりきるまでの6ヶ月〜1年、月20〜30万円の持ち出しに耐えられる手元資金があるかどうか。ここが実際の分かれ目になります。


学習塾だけの落とし穴|3月に生徒が抜け、夏に売上が跳ねる

飲食店や店舗ビジネスの記事を読んでも出てこない、塾ならではの構造が3つあります。

1. 3月、生徒が一斉に抜ける

受験が終われば、受験生は塾を辞めます。中3・高3の生徒が多い教室ほど、2月〜3月に在籍数がごっそり落ちる。これは経営が下手だから起きるのではなく、塾という商売の仕組み上、毎年必ず起きます。

つまり毎年、春に「抜けた人数」を新規で埋め直さないと、在籍数はじわじわ減っていきます。年間の広告費は、この入れ替え分を前提に組む必要があります。

2. 売上が講習期に極端に寄る

高橋塾のモデル月商が「15万〜250万円、講習期は最高300万円」と、20倍近い幅で公表されているのは誇張ではありません。夏期講習・冬期講習・春期講習の月は、通常月の数倍の売上が立つのが塾の常識だからです。

ここで初心者がやりがちな失敗が、夏の売上を見て「この調子でいける」と判断し、固定費を増やしてしまうこと。塾の月次は、講習期を含めた12ヶ月の平均で見ないと、まず判断を誤ります。年間の売上を12で割った数字を、自分の月収の基準にしてください。

3. 月謝の未収が積み上がる

月謝制のビジネスは、支払いが遅れる家庭が一定数出ます。口座振替が落ちなかった分を翌月に回しているうちに、帳簿上は黒字なのに現金がない、という状態になりがちです。口座振替の仕組みをどこまで本部が用意してくれるかは、加盟前に確認しておく価値があります。


地方で開くとき、いちばん詰まるのは「講師採用」

当サイトの検索データを見ていると、「ポラリスアカデミア 新潟」のように、特定のブランドが自分の地域にあるかを調べる検索が一定数届きます。地方で塾FCを検討している方が、確実にいるということです。

そのうえで正直に書きます。地方で学習塾を回すときの最大の壁は、生徒集めではなく講師の採用です。

塾の講師は、多くの教室で大学生アルバイトが中心です。ということは——近くに大学があるかどうかで、採用の難易度が決まってしまいます。大学が少ないエリアでは、社会人講師を時給を上げて確保するか、自分が教壇に立つことになります。

講師の埋め方メリットデメリット
大学生アルバイト中心人件費を抑えられる大学が近くにないと集まらない。卒業のたび入れ替わる
社会人講師を雇用定着する・保護者の信頼を得やすい時給が上がり、固定費が重くなる
自分(オーナー)が教える人件費ゼロ。生徒・保護者との距離も近い生徒数の上限が自分の体力で決まる。教室を増やせない
オンライン講師を活用立地に縛られず講師を確保できるブランドが対応しているかによる(要確認)

ここで効いてくるのが、スタディコーチやポラリスアカデミアのようにオンラインを組み込んだ業態です。講師を現地で採らなくてよい設計であれば、地方のハンデがそのままコストにならない可能性があります。

ただし、その仕組みが実際にどこまで使えるのかは、ブランドと契約内容によって違います。説明会では「オンライン対応」という言葉で終わらせず、自分の教室で、月に何コマを、誰が、いくらで担当するのかまで踏み込んで確認してください。

そしてもうひとつ。オーナーが自分で教える形は人件費が浮きますが、その分だけあなたの給料がどこにも計上されないことになります。先ほどの表で「自分の人件費の扱い:本部未公表」と書いた意味は、ここにあります。月45万円の利益が出ていても、そこから自分の給料を取るなら、実際の事業の利益は45万円ではありません。


3ブランドの入口の違い|270万円と1,000万円は、別の事業と考える

最後に、加盟先を選ぶときの見取り図を整理します。

高橋塾ポラリスアカデミアスタディコーチ
入口の重さ270万円(目安200〜300万円)800〜1,000万円620万円
ロイヤリティ12%(3社で最安)15%15%
生徒1人あたり月商本部未公表約8.2万円(編集部逆算)約5.3万円(編集部逆算)
目標生徒数の目安本部未公表30〜60名52名想定
返済前・税前に残る額(月)5万円〜45万〜143万円63万円
返済後に残る額(月)約1.6万円〜(編集部逆算)約32万〜133万円(編集部逆算)約55万円(編集部逆算)
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表本部未公表
詳細高橋塾ポラリスアカデミアスタディコーチ

選び方の目安はこうです。

  • まず小さく始めて、本業や家庭と両立しながら育てたい → 入口270万円・ロイヤリティ12%の高橋塾のような低リスク型。ただし手取り月5万円からのスタートになる前提で
  • 専業として、1年前後で投資を回収しにいきたい → スタディコーチのような中規模型(620万円・約10ヶ月回収の逆算)
  • 腰を据えて教室事業を伸ばし、将来の複数教室も視野に入れたい → ポラリスアカデミアのような高単価型。ただし赤字期を耐える手元資金が別途必要

なお、参考までに他業種と比べると、当サイト掲載のおそうじのえる(お掃除サービス)は初期費用105万円〜・利益率62%(オーナー1名稼働モデル)という数字を公表しています。塾FCの利益率は、逆算するとポラリスで18〜33%、スタディコーチで約23%。塾は「人に教える人」を雇う以上、利益率そのものは高くなりにくい業態です。そのぶん、月謝制で売上が読めるという強みがあります。どちらが優れているという話ではなく、性質が違います。


背景:学習支援業は15.6万事業所。少子化でも教室が減らない理由

最後に市場の話を短く。

政府統計「令和3年経済センサス-活動調査」によると、その他の教育・学習支援業の全国事業所数は156,243事業所。全97産業中9位で、全事業所5,287,701のうち3.0%を占めます。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和3年経済センサス-活動調査」を加工して作成

子どもの数は減っているのに、なぜこれだけの教室があるのか。ひとつの見方は、1人の子どもにかける教育費が増えていることです。生徒数が減っても、単価が上がれば市場は保たれます。ポラリスアカデミアの生徒1人あたり約8.2万円という単価は、まさにその流れの上にあります。

ただしこれは、「安くて普通の塾」が成立しにくくなっているということでもあります。地域の相場より少し高くても選ばれる理由——難関大受験特化、コーチング型、少人数個別など——を持たないブランドは、生徒集めで苦戦します。加盟先を検討するときは、「そのブランドは、近所の塾より高い月謝をもらえる理由を持っているか」を見てください。


よくある質問

Q. 教えた経験がなくても開業できますか? A. 多くのFC本部は未経験者向けの研修を用意しています。ただし「未経験OK」と「未経験でも同じ成果が出る」は別の話です。研修の期間・内容・開業後のサポート頻度を、具体的に何回・誰が・どこまでやってくれるのかまで確認してください。

Q. 資格は必要ですか? A. 学習塾の開業に、国家資格などの必須資格は一般的にありません。ただし制度は変わることがあるため、最新情報は必ず公式サイトや自治体の窓口で確認してください。

Q. 開業までどのくらいかかりますか? A. ブランドや物件の見つかり方によって大きく変わるため、一律の期間は示せません。説明会で「直近の加盟者は、申込から開校まで何ヶ月だったか」を聞くのが一番確実です。

Q. 自己資金はいくら要りますか? A. 初期費用の全額を借りられるとは限りません。加えて、上で見たとおり生徒が集まりきるまでの赤字期を耐える運転資金が別に必要です。初期費用とは別に、半年分の固定費を手元に置けるかを目安にしてください。

Q. 表の利益額は保証されていますか? A. されていません。本記事の数字はすべて本部が公表しているモデルケース、または編集部がそこから逆算した参考値です。実際の収支は立地・生徒数・人件費で大きく変わります。


まとめ

学習塾のフランチャイズが儲かるかどうかは、ブランドより先に「自分がどれだけの固定費を背負えるか」で決まります。

  • 手取りは月5万円〜143万円。同じ塾でも28倍ひらく
  • 売上が半分になると、利益は半分ではなくマイナスになる(編集部逆算)
  • 3月の退塾と講習期の売上偏重は、塾である限り毎年起きる
  • 地方では、生徒集めより講師採用が先に詰まることがある
  • 公表されている利益に「自分の給料」が含まれるかは、必ず面談で確認する

数字の読み方に迷ったら、無料LINE相談でも個別の資料の見方をお答えしています。加盟を勧めるためのものではないので、気が向いたときにどうぞ。

まずは各ブランドの条件を並べて見比べるところから始めてみてください。

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