「バク転だけ教えて、1店舗で年商6,000万円」。
この数字を聞いて、正直に言えば最初に浮かんだのは「怪しい」でした。そこで開業ジャパンのポッドキャスト「フランチャイズポッドキャスト FACT CHECK」の記念すべき第1回は、その本部に直接来てもらうことにしました。
ゲストはバク転パーソナル教室を運営する株式会社バク代表・谷 俊太朗さん。男子新体操で日本一を10回獲った元アスリートで、自身もパーソナルジムのフランチャイズ加盟オーナーからスタートした人物です。
この記事は、その収録内容を読みやすく整理した書き起こしです。数字はすべて谷社長の発言にもとづくもので、開業ジャパンが裏取りしたものではありません。「本部はこう説明している」という1次情報として読んでください。
バク転パーソナル教室とは何をする店なのか
マンツーマンでバク転を教える完全予約制の教室です。2020年の創業から、収録時点で全国38店舗。東京・大阪・名古屋など都市部が中心ですが、新潟や仙台にも店舗があります。
谷社長によると、「バク転」は検索ボリュームが意外に大きいキーワードで、そこに着目して事業を始めたとのこと。通うのは子どもだけでなく大人も多く、「新しいフィットネスのような位置づけ」だと説明しています。
料金はチケット制で、週1回通うと入会金込みで月3〜4万円程度。それでも東京の店舗では月に60〜70件の新規入会があるそうです。
バク転はゴールではなく、始まりでしかない。バク転は遠心力を高めて高く飛ぶための「助走」で、そこからバク宙などの連続技につながっていく。(谷社長)
「バク転ができたら卒業で終わり」というビジネスモデルではない、というのが本部側の説明です。
38店舗まで伸びた理由と、直営からFCへ切り替えた経緯
初期は直営3〜4店舗とFC2店舗で実験し、うまくいったことからFC展開に舵を切りました。最初の加盟者は、陸上や水泳のスクールをすでに運営していたアスリート仲間。そこで成果が出たため、本格的に募集を始めたといいます。
転機はメディア出演でした。18店舗の時点で「令和の虎」に出演し、1本の動画で約15店舗の加盟につながったそうです。
FCを選んだ理由として谷社長が挙げたのは2つ。
- 地域に根付いた人が運営すべきだから。体育会系の現場教育を遠隔で行うのは難しく、地元のオーナーが向いている
- パクリが増えているので、スピードを優先する必要があった
加盟に必要なお金:最低270万円、店舗型なら500万円〜
ここが一番気になるところです。谷社長の説明をそのまま整理します。
| 項目 | 金額(本部説明) | 備考 |
|---|---|---|
| 加盟金 | 200万円 | |
| 研修費 | 70万円 | 経験者は割引あり |
| 最低ライン | 約270万円 | ここにマットや物件費用が加わる |
| 間借り開業 | 300万円弱 | ダンススタジオ・パーソナルジム等の一角を使う場合。物件取得費が不要 |
| 店舗型(最小) | 約500万円 | 物件取得+マット等 |
谷社長自身が「パーソナルジムのFC加盟オーナーとして、その店の一角でバク転教室を間借りで始めた」のが原点で、スモールに始める間借りパターンを推奨しています。すでに体操教室・バレエ教室・ジムを運営している人にとっては、加盟金と研修費とマット代でほぼ始められる、という説明です。
開業ジャパンのブランドページに掲載している「間借りAプラン330万円〜/店舗Bプラン600〜700万円」とも、おおむね整合する内容でした。
投資回収は半年〜1年半。「2年で回収できないならやらない」
回収期間については、次のように話しています。
- 半年で回収できた店舗もあれば、1年半かかった店舗もある
- 本部としては**「最大2年で回収できる形でなければ、そもそも出店しない」**
一方で「最近は回収が早いFCが多い」という編集長の指摘に対しては、こう返しています。
回収が早いビジネスは、終わるのも早いものが多い。バク転そのものは体操として100年近い歴史がある分野で、10年20年でなくなるイメージがまったくない。(谷社長)
流行り物ではなく、ストック性のある教室ビジネスだという主張です。
「年商6,000万円」の実態と、直営がFC店に負けた話
タイトルにもなった年商6,000万円は、直営1店舗が月商500万円前後で達成した数字。この実績を引っ提げて令和の虎に出た、とのことです。
ただし、谷社長はその後の変化も隠しませんでした。
- 周辺に直営店が増えた影響で、その店の売上は最近少し下がった
- 一方で東京・大阪のFC店で月商400万円に到達する店が出てきて、「直営がFC店に負けた」
- 春夏の繁忙期は全店黒字、と説明
直営は良いがFC店は苦戦、というFCにありがちな構図ではないと本部は主張しています。この点は、資料請求の際に店舗別の実績をどこまで開示してもらえるかで確認する価値があります。
教えられるトレーナーはいるのか
「バク転を教えられる人が少ないのでは」という疑問には、ブレイクダンス(オリンピック競技化)やパルクールなどストリート系競技の人口が増えており、そうした競技のトレーナーを採用して研修する形が主流だと回答。高校生を雇ったこともあるそうです。
本部が加盟金・ロイヤリティを何に使っているかについては、SEOなどWeb集客、数万人規模のフォロワーを持つ本部SNSからの全国送客、定期的な研修の3つを挙げています。
撤退は6年で3店舗。理由は「本業の資金不足」
撤退店舗の有無を聞くと、6年間で3店舗と明言しました。理由として挙げたのは、教室の不振ではなく、オーナーの本業(建築会社など)で資金繰りが悪化したケースが中心だったとのことです。
加盟者の内訳は、体操経験者と法人・他業種が半々程度。谷社長は最近、「個人より法人の加盟のほうが相性がいい」と感じていると話しています。資金やスタッフに余裕があるだけでなく、自分の本業との掛け合わせを考えられるからです。
編集長からは「建築業・工務店とのシナジー」という提案も出ました。バク転教室には子育て世代の地域客が繰り返し来店するため、新築・リフォームの見込み客と「利益を出しながら接点を作れる場」になりうる、という視点です。
本部が正直に語った「属人化」という課題
インタビューで最も率直だったのが、トラブルについての部分です。
谷社長は「うまくいかないのは全部本部のせい、と言うオーナーもいる」と認めたうえで、このビジネスの構造的な課題を挙げました。
- 美容師と同じで属人化しやすく、組織化されづらい
- 技術を覚えた講師が「自分でもできる」と独立してしまう問題がある
- 対策は、講師にはレッスンだけを任せ、カウンセリングとクロージングはオーナーが担うこと
さらに、「アスリートのセカンドキャリアを作りたいという自分の理念と、ブランドの発展がぶつかっている部分がある」とも。将来的には独立者も加盟オーナーにメリットがある「のれん分け」のような制度を作りたいと話していました。
30〜40店舗の段階でこの課題に気づけてよかった。もっと増えてからでは修正が効かない。(谷社長)
規模を急いで広げるより、修正が効くうちに体制を整えたいという姿勢です。
やばい本部の見抜き方:谷社長の答え
最後に、編集長が「業界の闇、気をつけるべき本部の特徴」を聞きました。言いづらそうにしながらも、谷社長が挙げたポイントは次の通りです。
①メディアに出ていたのに、今はもう無い本部がある 2年前に派手に露出していた本部が消えているケースは珍しくない、と。
②その人の生い立ちから生まれたビジネスかどうか 「最近流行っているから1年で考えた」ビジネスは薄い可能性が高い。逆に、社長の経歴や想いが事業と地続きになっている本部は、それだけで一定の信頼材料になる、という見方です。ブランド名に家族の名前が入っている例を挙げ、「そういう話を聞くと愛を感じる」とも。
ただし編集長は、「理念推しの本部のほうが危ない、宗教っぽい」という逆の意見も業界にはあると補足しました。理念と、集客・求人など実務面の開示。両方を見るべきというのが、この回の着地点です。
どんな人に向いているか(本部の回答)
- スポーツ・体操が好きで、運動に前向きな人
- 「めちゃくちゃ儲けたい」より、10年20年続く地域密着の教室を作りたい人
谷社長は「今は増やしたいというより、絞って合う人とやりたい」という話し方をしていました。
編集長のまとめ:この動画をどう使うか
この回で分かったのは、少なくとも本部の社長が撤退数・独立問題・直営の売上減少を聞かれて、ごまかさずに答えたということです。それ自体が、FC選びでは大きな判断材料になります。
一方で、この記事の数字はすべて本部の発言です。検討する場合は、次の3点を資料請求や面談で必ず確認してください。
- 店舗別の売上・利益の実績(好調店だけでなく、平均と下位)
- 撤退3店舗の詳細と、契約解除時の条件
- 間借りプランの具体的な条件(自分の施設で可能か、ロイヤリティの違い)
バク転パーソナル教室のブランドページでは、初期費用・ロイヤリティ・収支モデルをまとめ、資料請求も受け付けています。また、自分に合うFCの形が分からない方は無料の開業診断から始めてみてください。
この記事のもとになった動画
フランチャイズポッドキャスト「FACT CHECK」第1回。続きや細かいニュアンスは、ぜひ元動画でご覧ください。
※本記事は動画の自動字幕をもとに編集部が要約・整理したものです。発言の趣旨を損なわない範囲で表現を整えています。
みんなの質問コーナー
この記事に寄せられそうな疑問に、開業ジャパン編集長が答えます
動画内の谷社長の説明では、加盟金200万円+研修費70万円の計270万円が最低ライン。自分のスタジオやジムの一角を使う「間借り」ならマット代を足して300万円弱、物件を借りる店舗型なら最小でも500万円前後とのことです(経験者は研修費の割引あり)。
半年で回収した店舗から1年半かかった店舗まで幅があり、本部としては「最大2年で回収できる計画でなければ出店しない」という線引きをしていると話しています。
6年間で3店舗と回答。理由は教室そのものの不振ではなく、オーナーの本業(建築業など)の資金不足が中心だったと説明しています。
加盟者は体操経験者と法人・他業種が半々程度とのこと。指導はブレイクダンスやパルクール等のトレーナーを採用・研修して任せるケースが多く、オーナーはカウンセリングと運営に回る形が推奨されています。
LINE友だち限定特典
非公開のビジネスプランと
未公開物件情報をお届け
サイトには載せられない非公開FC案件・優良物件・最新補助金情報を、LINE友だち限定で先行配信。登録は10秒、いつでも解除できます。
おすすめ記事
インタビュー 「売上80万で手取り15万」を変えたくて始まった——アイラッシュサロン「ELUA(エルア)」FC本部・臼井社長インタビュー
2026/10/4
インタビュー うなじ矯正専門店ミースのフランチャイズ説明を書き起こし|美容師免許×商標で競合ゼロの脱毛FCを永野代表が解説
2026/9/30
インタビュー エクシアホワイトのフランチャイズ説明を書き起こし|月額1万円通い放題・施術原価250円のセルフホワイトニングFCを近藤会長が解説
2026/9/23
インタビュー アイズドッグのフランチャイズ説明を書き起こし|原価率5%・利益率40〜50%のトリミングサロンFCを石川社長が解説
2026/9/23
