ワークマンのフランチャイズオーナーの年収は、月商1,200万円クラスの店で、借入返済前・税金を引く前に年1,100万〜1,200万円前後(編集部逆算)。ただしこれは夫婦2人ぶんの取り分です。2人で割れば1人あたり月47万円前後になります。
この記事では、その1,200万円がどう作られるのか、そして「夫婦2人で専従する」という契約条件が、家計にとって何を意味するのかを分解していきます。
先にお断りします。 ワークマンの加盟条件(配分率・必要資金・店舗の条件)は候補者と店舗ごとに本部から個別に提示される部分が大きく、細かい数字が広く公表されているわけではありません。この記事に出てくる比率と金額は、編集部が計算のために仮に置いた数字です。ネット上には「加盟店の平均年収◯◯万円」という数字も出回っていますが、出典と対象年度が確認できないものはこの記事では使いません。実際に検討する段階になったら、本部から提示された数字に必ず差し替えて計算し直してください。最新の募集条件は公式サイトでご確認ください。
結論|ワークマンのフランチャイズオーナーの年収は「月商×16%前後」から始まる
ワークマンの加盟は、一般的なフランチャイズとは契約の形が違います。公表されている募集の枠組みによれば、**店舗も商品も本部が用意し、加盟店はその販売を任される「業務委託契約」**に近い形です。
ふつうのフランチャイズは、自分で商品を仕入れて、売れ残れば自分の損になります。ワークマンの方式では商品を仕入れる必要がないかわりに、売って出た利益を本部と分け合います。この「分け合う元になる利益」を**売上総利益(粗利)**といいます。売上から商品の原価を引いた残りのことです。
つまりオーナーの収入は、こういう式になります。
月商 × 売上総利益率 × 加盟店への配分率 = 店に入ってくるお金
ここでは売上総利益率を27%、配分率を60%と仮に置きます(いずれも編集部の仮置き。実際の率は本部に確認してください)。かけ算すると、月商のおよそ16%です。
| 月商800万円の店 | 月商1,200万円の店 | 月商1,600万円の店 | |
|---|---|---|---|
| 売上総利益(売上の27%と仮定) | 約216万円 | 約324万円 | 約432万円 |
| 加盟店への配分(粗利の60%と仮定) | 約130万円 | 約194万円 | 約259万円 |
| 店の運営費(下で分解) | 約75万円 | 約95万円 | 約120万円 |
| 返済前・税前に残る額(月) | 約55万円 | 約99万円 | 約139万円 |
| 同(年) | 約660万円 | 約1,190万円 | 約1,670万円 |
| 借入返済後(月5万円返済と仮定) | 約50万円 | 約94万円 | 約134万円 |
| 自分の人件費の扱い | 含まず(夫婦2人分をここから取る) | 同左 | 同左 |
| 夫婦2人で割った1人あたり(月) | 約25万円 | 約47万円 | 約67万円 |
| 加盟時に必要な資金 | 本部が個別提示(要確認) | 同左 | 同左 |
※すべて編集部逆算。実在の店舗の数字ではありません。
表の下から2行目が、この記事でいちばん大事なところです。「返済前・税前に残る額」に、夫婦2人の給料は入っていません。 月99万円残ったとして、そこから税金を払い、2人の生活費を出し、将来に備える。1人あたりに直すと47万円です。
「いま自分が検討できる店の月商はどのくらいの規模か」「会社員の年収と比べて上か下か」。ここはご家庭の条件を聞かないと答えが出ません。無料のLINE相談で、お住まいの地域・自己資金・現在の世帯年収を教えていただければ、この記事と同じ手順で一緒に逆算します。数字の確認だけでも構いません。
内訳|月商1,200万円が「手元99万円」になるまで
月商1,200万円の店で、194万円の配分から何が引かれるのかを並べます。金額はすべて編集部の仮置きです。
| 引かれるもの | 月あたり(仮) | ひとことメモ |
|---|---|---|
| ① パート・アルバイト人件費 | 約60万円 | 時給1,100円×月545時間。常時1〜2名が入る想定 |
| ② 水道光熱費 | 約15万円 | 売場照明と空調。夏冬は上振れする |
| ③ 消耗品・清掃・備品 | 約5万円 | レジ袋、値札、清掃用品など |
| ④ 通信・システム・雑費 | 約5万円 | レジまわりや回線の費用 |
| ⑤ 夫婦2人の国民健康保険・国民年金 | 約10万円 | 会社員をやめると全額自己負担になる |
| 合計 | 約95万円 | |
| 返済前・税前に残る額 | 約99万円 | 年間で約1,190万円 |
| 借入返済後 | 約94万円 | 月5万円の返済と仮定 |
| 自分の人件費の扱い | 含まず | この99万円から夫婦2人の給料を取る |
一般的なフランチャイズの内訳表と比べて、「仕入れ」と「家賃」の行がないのが特徴です。商品は本部のもの、店舗も本部が用意する形なので、その2つが加盟店の費用として出てきません。かわりに、売上総利益の4割が本部の取り分として先に引かれている、という構造です。
引かれる費用の中でいちばん大きいのは①の人件費です。ここは売上が落ちても簡単には減らせません。 店の開店時間は決まっているので、売上が半分になってもレジに立つ人は必要だからです。この「売上が減っても減らない費用」を固定費といい、下で説明する下振れの正体もここにあります。

夫婦2人前提だから起きること|世帯で見るか、1人で見るか
ワークマンの加盟は、原則として夫婦や親子など2名が専従することを条件にしていると案内されています(条件の詳細は募集要項で必ず確認してください)。これは単なる「人手が2人必要」という話ではなく、家計の構造がまるごと変わるという話です。
今の状態と、加盟後を並べてみます。仮に、夫婦共働きで世帯年収800万円(会社員400万円+パート等150万円+その他、という形はさまざま)のご家庭が、月商1,200万円の店に入った場合です。
| 今(共働きの会社員) | 加盟後(夫婦2人で店に専従) | |
|---|---|---|
| 世帯に入るお金(年・仮) | 約800万円 | 約1,190万円(返済前・税前) |
| 収入源の数 | 2本(勤務先が2つ) | 1本(店だけ) |
| 社会保険 | 厚生年金・健康保険(会社が半分負担) | 国民年金・国民健康保険(全額自己負担) |
| 退職金・賞与 | 勤務先の制度による | なし(自分で積む) |
| 収入が止まるリスク | 片方が休んでも、もう片方は残る | どちらかが倒れると店ごと止まる |
| 上振れの可能性 | 昇給の範囲 | 売上が伸びれば配分も増える |
額面だけ見れば800万円→1,190万円です。ただし厚生年金がなくなるぶん、将来受け取る年金額は下がる方向に働きます。また、会社員なら会社が半分払ってくれていた社会保険料を全額自分で払います。上の内訳表の⑤で月10万円を計上したのはそのためです。
そして最大の違いが、下から2行目の**「収入源の数」**です。共働きは「勤務先が2つある」という分散が効いています。夫婦2人で1つの店に入るということは、その分散を自分から捨てるということです。ここを家族で話し合わないまま数字だけで決めた方が、あとで苦しくなるのを何度も見ています。
下振れ条件|この4つで、年収は100万円単位で動く
月商1,200万円・年商約1.44億円のモデルで、前提が少しずれたときに何が起きるかを計算します。
| ずれる前提 | 年間で動く額(編集部逆算) | 月あたり |
|---|---|---|
| 売上総利益率が27%→25%に下がる | 約173万円のマイナス | 約14万円 |
| 加盟店への配分率が60%→55%だった | 約194万円のマイナス | 約16万円 |
| パートの時給が50円上がる | 約33万円のマイナス | 約2.7万円 |
| 月商が1割落ちる(1,200万→1,080万) | 約228万円のマイナス | 約19万円 |
注目してほしいのは一番下です。売上は1割しか落ちていないのに、手元に残る額は約2割減ります。 99万円が80万円になる計算です。人件費や光熱費は売上が減っても減らないので、減った粗利がまるごと利益から引かれるからです。逆に言えば、売上が1割伸びれば手取りは2割増えます。売上の振れが、手取りでは倍に増幅される。これが店をやるということです。
そしてもうひとつ。作業服や防寒着は季節で売れ方が大きく変わる商品です。寒くなる時期に売上が集中し、それ以外の月はおとなしい、という動き方をします。年間の合計で計算すると成立していても、月によっては生活費を取るのが苦しい月がある前提で資金を見ておいてください。
ワークマン固有の落とし穴①|売上を上げるレバーが少ない
在庫を持たない方式は、リスクが小さいかわりに自分で動かせる部分も小さいという裏返しがあります。
| 普通の小売店で自分が決められること | この方式では |
|---|---|
| 何を仕入れるか | 本部の商品構成が基本 |
| いくらで売るか | 本部の価格が基本 |
| どこに店を出すか | 本部が用意した店舗に入る |
| セールをやるか | 本部の販促に沿う |
| 営業時間 | 本部の基準に沿う |
つまり、オーナーが売上を伸ばすために使える手は、接客の質・売場の作り方・欠品を出さない発注・地元の法人客との関係づくりあたりに絞られます。「仕入れの目利きで勝負したい」「自分の価格で売りたい」という人には、かなり窮屈に感じるはずです。
一方で、立地を自分で選べないというのは、実は資金面では守りになっています。物件を自分で借りて内装を入れると数千万円かかり、立地を外せばその投資ごと失います。本部が店舗を用意する方式は、その最大のリスクを負わないかわりに、当たる立地を自分で取りにいくこともできないという取引です。ここは損得ではなく、性格の相性の問題だと思ってください。
ワークマン固有の落とし穴②|「客層が変わった」ことの意味
ワークマンは、もともと職人さん向けの作業服店でした。そこから一般向けの業態(ワークマンプラスや女性向けの店舗)が広がり、一般のお客さんが売場に来るようになったのはご存じのとおりです。
これは売上にとっては追い風ですが、店をやる側から見ると仕事の中身が変わる話でもあります。
- 職人さんは買うものが決まっていて、短時間で帰る。接客の時間は短い
- 一般のお客さんはサイズ・色・用途を相談する。試着もある。1人あたりの接客時間が長い
- 職人さんは平日の朝が中心。一般客は土日と夕方に集中する
同じ月商でも、どちらのお客さんが多い店かで、必要な人手の量と夫婦2人の拘束時間が変わります。候補店の話が出たら、「この店は法人・職人の比率が何割か」を必ず聞いてください。月商だけでは店の忙しさは分かりません。
他の業態と並べる|1人あたりの手取りで見ると景色が変わる
最後に、まったく違うタイプの商売と並べてみます。比較対象は、当サイト掲載のお掃除のえる(お庭まわりのお掃除フランチャイズ)。こちらは本部が公表しているモデル数値です。
| ワークマン(編集部逆算・月商1,200万モデル) | お掃除のえる(本部公表のモデル) | |
|---|---|---|
| 働く人数 | 夫婦2人・専従 | オーナー1名 |
| 月商 | 1,200万円(仮置き) | 132万円 |
| 返済前・税前に残る額(月) | 約99万円 | 約82万円(利益率62%) |
| 同・1人あたり | 約49万円 | 約82万円 |
| 借入返済後 | 約94万円(月5万円返済と仮定) | 初期費用が小さいため返済も小規模 |
| 自分の人件費の扱い | 含まず(2人分をここから) | 含まず(1人分をここから) |
| 加盟時の費用 | 本部が個別提示(要確認) | 初期費用105万円〜/加盟金30万円〜(キャンペーン適用時・通常200万円) |
| ロイヤリティ | 粗利からの配分方式 | 売上の25% |
| 店舗 | 本部が用意 | 無店舗(自宅と車が拠点) |
月商は9倍違うのに、1人あたりで割った手取りは逆転します。これは「どちらが得か」という話ではありません。
- お掃除のえる型は、自分が動いた時間がそのままお金になるかわりに、自分が動けなくなると売上が止まります。増やすには人を雇うか、自分の時間を増やすしかない
- ワークマン型は、売場と商品という仕組みが売上を作るので、自分が1日休んでも店は回ります。かわりに、伸びしろは店の商圏の大きさで頭打ちになる
年収の「額」だけで比べると、この構造の違いが見えなくなります。比べるべきは、1人あたりの手取りと、自分が抜けたときに何が起きるかです。
なお、「ワークマン フランチャイズ 年収」で検索する人が増えているのは、一般客向け業態の拡大でブランドの認知が上がり、作業服店=地味という前提が変わったからだと編集部は見ています。ただし、認知が上がったことと、オーナーの手取りが増えることは別の話です。
まとめ|本部に聞くべき7つの数字
この記事の要点を4つに絞ります。
- ワークマンのフランチャイズオーナーの年収は、月商×16%前後(売上総利益率27%・配分率60%と仮定した編集部逆算)で見当をつける。月商1,200万円なら返済前・税前で年約1,190万円
- その額に夫婦2人の給料は入っていない。1人あたりに割ると月47万円前後
- 売上が1割落ちると、手取りは2割落ちる。固定費が減らないから
- 最大の論点はお金ではなく、世帯の収入源が2本から1本になること。厚生年金と会社の社会保険料負担を手放す判断でもある
本部と話す段階になったら、次の7つを必ず確認してください。これが埋まらないうちは、年収の計算はできません。
- 売上総利益の加盟店への配分率と、その計算の基準
- 候補店の直近3年の月商推移(とくに季節変動の幅)
- 候補店の法人・職人客と一般客の比率
- 加盟時に必要な資金の内訳(保証金・準備金・研修費の別)
- 人件費をどこまで加盟店が持つか(募集・採用・社会保険の扱い)
- 2名専従の条件について、片方が病気や介護で抜けたときの取り扱い
- 契約期間と、中途解約・更新拒否の条件
加盟条件や配分率は改定されます。最終的な数字は必ず公式サイトと、本部から提示される契約書で最新情報を確認してください。この記事の比率は、あくまで「計算の型」として使っていただくものです。
「自分の自己資金で届くのか」「共働きをやめて2人で店に入る価値があるのか」。このあたりは、ご家庭の事情を伺わないと答えが出せません。無料のLINE相談で、地域・自己資金・現在の世帯年収・お子さんの年齢を教えていただければ、この記事と同じ順番で一緒に逆算します。押し売りはしませんので、数字の確認だけでも構いません。
夫婦2人で入る前提の商売と、1人で始められる商売を並べて見たい方は、フランチャイズ一覧から初期費用と必要な人数を見比べてみてください。同じ手取り月50万円でも、そこに至る道のりはまったく違います。
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