4年で直営45店舗を展開し、ピラティス業界で成長を続ける「the SILK」が全国フランチャイズ展開を本格的に開始。急速な業界成長と加盟店募集の拡大を示唆するもので、ピラティス市場の拡大トレンドと新たなFC加盟機会を提示している。
出典: PR TIMES

開業ジャパン編集長より
編集長の視点
このニュースで注目したいのは、「直営で45店舗まで積み上げてからFC展開に踏み切った」という順番です。フランチャイズ本部には大きく分けて2つのタイプがあります。直営店で収益モデルを固めてから加盟店を募るタイプと、直営の実績がほとんどないまま加盟金収入を目当てに募集を始めるタイプです。前者は「自分たちで再現できると確認したモデルを売る」商売であり、後者は「まだ検証していない仮説を売る」商売です。4年で45店舗という直営実績は、少なくとも本部自身がこのモデルにお金を張り続けてきた証拠であり、検討の土俵に乗せる価値がある展開だと編集部は見ています。
追い風は少人数フィットネス市場の拡大
背景にあるのは、ピラティスやパーソナルジムなど「セミパーソナル・少人数フィットネス」市場の拡大です。コロナ禍以降、大箱の総合ジムから小型・専門特化型へと業界の重心が移り、女性を中心に「マシンピラティス」は検索需要も店舗数も伸び続けてきました。この手の業態がFC加盟先として人気を集める理由は分かりやすく、在庫がなく、原価率が低く、予約制で人員計画が立てやすいからです。飲食のように食材ロスや深夜営業に悩まされることがなく、店舗面積も比較的小さくて済むため、初期投資を抑えやすい構造を持っています。
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成長市場と「自分の店の儲け」は別問題
ただし、ここからが大事な注意点です。「成長市場」と「あなたの店が儲かるか」は別の問題です。伸びている市場には必ず競合が殺到します。実際、都市部ではピラティススタジオの出店が続き、駅前の好立地はすでに取り合いになっています。予約制・会費制のビジネスは、会員数が損益分岐点を超えるまでの立ち上げ期間をどう耐えるかがすべてと言ってよく、開業後3〜6ヶ月の運転資金を持たずに始めると、モデル上は優秀な業態でも資金繰りで先に倒れます。また、インストラクターの採用と定着はこの業態最大の泣きどころです。指名制に近い世界なので、人気インストラクターの退職が会員の解約に直結します。説明会では「インストラクターの採用支援と教育体制」「既存店の会員継続率」「損益分岐点となる会員数と、そこまでの平均到達期間」の3点を必ず数字で確認してください。答えをぼかす本部なら、その時点で候補から外してよいと思います。
収支モデルは広告費と退会率で見抜く
お金の面も具体的に考えておきましょう。会費制ビジネスの収支は、突き詰めれば「会員数×月会費」から「家賃+人件費+広告費+ロイヤリティ」を引くだけの単純な構造です。単純だからこそ、変数ごとの感度がはっきり出ます。たとえば月会費1万円台のスタジオなら、家賃と人件費を賄うのに何名の会員が必要か、電卓を叩けば誰でも試算できます。ここで見落とされがちなのが広告費と退会率です。開業直後は近隣への認知づくりに広告費がかさみ、軌道に乗った後も、一定の退会は必ず発生するため、その穴を埋める新規獲得コストが恒常的にかかります。説明会で提示される収支モデルが「広告費をいくらで、退会率を何%で置いているか」は、必ず自分の目で確かめてください。この2つの置き方ひとつで、同じ業態の収支モデルはいくらでも良く見せられます。逆に言えば、そこを保守的に置いてもなお成立する計画なら、かなり信頼できるということです。
自分が立つか、雇って任せるか
また、この業態は「オーナー自身が現場に立つか、雇って任せるか」で必要資金も生活もまったく変わります。自分がインストラクターを兼ねるなら人件費は浮きますが、自分が倒れたら店も止まります。雇用型で回すなら、先ほど触れた採用リスクを織り込んで人件費を厚めに見積もる必要があります。会社員のまま副業的にオーナーをやりたいという相談も増えていますが、その場合は店長級の人材を確保できるかどうかがすべてで、加盟前にその当てがあるかを自問すべきです。
流行の回転が速い業態という宿命
もう一つ、女性向けボディメイク業態は流行の回転が速いという宿命があります。ホットヨガ、暗闇フィットネス、24時間ジムと、この10年だけでも主役は何度も入れ替わりました。ピラティス自体はリハビリ由来の歴史あるメソッドで一過性のブームとは性質が違う、という見方もできますが、10年契約に近い覚悟で加盟するなら「ブームが落ち着いた後も残る立地と価格帯か」という視点で物件と商圏を選ぶべきです。流行期の売上予測をそのまま事業計画に置くのは危険です。
編集長の結論: 待つのも戦略
編集長としての率直な所感を言えば、これは「業態としては筋が良いが、参入タイミングとしては中盤戦」という案件です。先行者利益を取れる時期は過ぎつつあり、これからの加盟は立地選定と採用力の勝負になります。だからこそ、加盟金やロイヤリティの条件面だけでなく、商圏調査と説明会での質問にきちんと時間をかけてください。急成長中の本部は募集ペースも速く、「今月中に決めれば」という空気になりがちですが、焦って決めてよい契約は一つもありません。市場が伸びているなら、来月も再来月もチャンスはあります。むしろ伸びている市場ほど、半年待てば既存加盟店の実績データが増え、判断材料は確実に厚くなる。待つことも立派な戦略です。下の関連ガイドに、説明会で聞くべき質問と加盟金・ロイヤリティの基礎をまとめてありますので、検討中の方はあわせてどうぞ。
※開業ジャパン編集部の見解です。加盟・投資のご判断はご自身の調査・専門家への相談とあわせて行ってください。
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