北関東34店舗展開の「メガネ・補聴器の板垣」が、創業100年の節目に新業態ブランド「ITAGAKI EYE WEAR STUDIO」を高崎市に開業。国内外トレンドブランドと体験価値を融合させたアイウェア専門店。
出典: 全体

開業ジャパン編集長より
編集長の視点
北関東で34店舗を展開する「メガネ・補聴器の板垣」が、創業100年という節目に新業態ブランド「ITAGAKI EYE WEAR STUDIO」を高崎市に開業したというニュースです。地味に見えるかもしれませんが、これは独立開業を考える方にとって見逃せない事例だと編集長は考えています。理由は単純で、既存事業がしっかり回っている企業が、あえて「新しい売り方」に投資しているからです。既存店舗を維持しながら新業態を試すというのは、経営体力に余裕がなければできない選択であり、同時に「今のままでは通用しない」という危機感の裏返しでもあります。この両面を読み解くことが、開業検討者にとっての学びになります。
眼鏡業界が抱える構造変化
眼鏡・コンタクト業界は、長らく「視力矯正」という機能価値で勝負してきた業界です。しかし近年は、格安眼鏡チェーンの台頭やネット通販の普及で価格競争が激しくなり、単に「安くて見える」だけでは差別化しづらくなっています。そこで多くの事業者が向かうのが、今回のニュースにもある「体験価値」というキーワードです。店内での接客体験、ブランドとのコラボレーション、専門スタッフによるカウンセリングなど、モノではなくコトを売る方向へのシフトが進んでいます。これは眼鏡業界に限った話ではなく、美容室や飲食店、アパレルなど、成熟した小売・サービス業全般に共通する流れです。市場が飽和した業界ほど、単価と滞在時間を伸ばす「体験型」への転換が起きやすいという構図を覚えておくと、他業種のニュースを見るときにも応用が利きます。
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新業態展開が意味すること
老舗企業が新業態を立ち上げる背景には、既存ブランドの顧客層とは異なる層を取り込みたいという狙いがあることが一般的です。若年層や、デザイン性を重視する層、あるいは高単価帯の商品を求める層など、既存店舗では取りこぼしていた需要を、新しい看板と店舗デザインによって拾いにいくわけです。これは大手チェーンだからできる話ではなく、地域に根ざした中小企業が生き残るための「第二創業」の一つの型でもあります。個人で開業する方にとっても、最初から万人向けの店を作るのではなく、狙う客層を明確にした専門店的なコンセプトを立てるという発想は、そのまま参考になる部分です。
開業検討者へのチャンスと注意点
このニュースから開業検討者が得られるヒントは主に二つあります。一つ目は、地方都市であっても「専門性×体験価値」という組み合わせで新規開業が成立し得るという事実です。人口減少や郊外化が進む地方であっても、既存の枠組みに収まらないコンセプト次第で、新しい客層を掘り起こす余地はまだ残っているということが示唆されます。実店舗ビジネスを検討している方にとっては、立地や坪数だけでなく「どんな体験を提供するか」を先に固めることの重要性を、あらためて考えるきっかけになるはずです。
一方で、注意すべき点も明確にしておきます。今回の事例は、34店舗・100年という実績と資本体力を持つ企業が行った投資であり、個人開業者が同じスピード感や規模感で新業態に挑戦できるわけではありません。体験型の店舗は、内装や接客教育、ブランド提携などに相応のコストがかかりやすく、初期投資が想定より膨らみやすい業態でもあります。また「新しい業態だから成功する」という保証はどこにもなく、実際にどれだけの集客と客単価が実現できるかは、開店後の運営次第です。派手な新業態のニュースに触れると気持ちが盛り上がりがちですが、開業を検討する際は、自分の資金力と身の丈に合った規模から始め、体験価値を数値化できる形(客単価、リピート率など)で設計しておくことが欠かせません。
編集長の結論: 挑戦の型は真似できる
編集長として率直に感じるのは、今回のニュース自体を「儲かる・儲からない」で語る段階にはまだないということです。1号店が開業したばかりであり、成果が出るのはこれからです。ただし、老舗企業が既存事業を守りながら新しい挑戦を仕掛けるという「型」そのものは、規模の大小に関わらず参考になります。独立開業やFC加盟を検討している方は、派手な新業態そのものに憧れるのではなく、なぜその企業がそのタイミングでその挑戦をしたのかという背景を読み解く癖をつけてほしいと思います。そうした視点は、加盟説明会やFC本部の資料を読むときにも必ず役立ちます。今後、この新業態が北関東の他エリアに展開されるのか、それとも高崎の1号店に留まるのかも、業界動向を見る上での一つの指標になりそうです。開業ジャパンでは、こうした個別ニュースの裏にある構造を、引き続き丁寧に追いかけていきます。
※開業ジャパン編集部の見解です。加盟・投資のご判断はご自身の調査・専門家への相談とあわせて行ってください。
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