2026年1~3月の理容所・美容所新規開業は1,883件で前年同期比50.2%増加。2024年同期水準も上回り、理容所の伸びが際立つ。業界の開業動向復調を示す統計で、理美容業界の参入検討者に有用な市場情報。
出典: 全体

開業ジャパン編集長より
編集長の視点
理容所・美容所の新規開業が、2026年1〜3月期で前年同期比50.2%増という統計が出ました。1,883件という件数自体もさることながら、コロナ禍以降で落ち込んでいた開業動向が、前年水準だけでなく2024年同期の水準も上回ったという点に、今回のニュースの重みがあります。単発の数字の跳ね上がりではなく、業界として開業の「流れ」が戻ってきていることを示すデータだと受け止めるべきでしょう。
理容所の伸びが際立つ理由
今回の統計で特に注目されているのが、美容所以上に理容所の伸び率が大きかったという点です。理容業は一般的に、美容業に比べて店舗数の伸びが緩やかで、後継者不足や高齢化による廃業が話題になることが多い業態でした。そうした業態で新規開業が伸びているというのは、業界内でもやや意外感を持って受け止められている動きです。
背景として考えられるのは、理容師資格を持つ人材が独立のタイミングを迎えていること、あるいは小規模・低投資で始められる理容所という業態そのものが、開業コストを抑えたい層にとって相対的に始めやすい選択肢として見直されている可能性です。もっとも、これはあくまで一般論としての推測であり、統計からその因果関係まで断定することはできません。読者の皆さんがこの数字を見るときは「理容業が伸びている理由」を決めつけず、自分の商圏や客層でその傾向が当てはまるかを別途確認する姿勢が必要です。
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美容業界の開業を取り巻く背景
美容室・理容室の開業は、他の飲食業や小売業と比べると、初期投資や在庫リスクが比較的小さく、個人の技術力がそのまま売上に直結しやすい業態だと言われています。そのため独立開業の入り口として選ばれやすい一方で、店舗数自体が全国的に飽和気味とも指摘されてきた業界です。美容所の数は長年増加傾向にあり、一店舗あたりの競争は年々厳しくなっているという声も少なくありません。
今回のような「開業件数が増えている」という統計は、新規参入のしやすさや市場の活気を示す材料にはなりますが、同時に「競合が増えている」ことの裏返しでもあります。開業を検討する側にとっては、数字が良いニュースだけを意味するわけではない、という視点を持っておくことが大切です。
開業検討者にとってのチャンスと注意点
開業件数の回復は、融資や物件確保の面で追い風になり得ます。金融機関や物件オーナー側も、業界全体の開業意欲が高まっている局面では前向きな判断をしやすくなる傾向がありますし、同業種の開業事例が増えることで、設備業者や仕入れルートなど周辺のインフラも動きやすくなります。独立を考えていた人にとっては、今が検討を具体化する一つのきっかけになり得るでしょう。
一方で注意すべき点もあります。まず、開業件数が増えているということは、同じ商圏内での価格競争や客の奪い合いが起きやすくなるということでもあります。統計はあくまで全国レベルの傾向であり、自分が出店を考えているエリアの実情とは別物です。開業前には必ず、その地域の人口動態や競合店の密度、客単価の相場といった商圏の具体的な数字を自分で確認する必要があります。
また、理容所・美容所は技術職としての側面が強く、独立後の経営は「技術力」と「経営力」の両輪で回していく必要があります。開業件数の増加は参入障壁の低さを示す一方で、廃業・撤退も一定数存在する業態であることを忘れてはいけません。好調な統計を見て勢いで開業を決めるのではなく、資金計画や固定費の見通しを冷静に立てた上で判断することが欠かせません。
編集長の結論: 追い風は使い方次第です
今回の統計は、理美容業界の開業意欲が戻ってきていることを示す、前向きなニュースだと思います。特に理容所の伸びは、業界内でも注目度の高い動きでしょう。ただし編集長として強調したいのは、こうした統計はあくまで「全体の追い風」であって、個々の開業の成否を保証するものではないということです。
開業件数が増えているという事実は、融資や情報収集のしやすさという意味でプラスに働く一方、競合増加というプラスでない側面も同時に含んでいます。読者の皆さんには、このニュースを「始めやすい雰囲気になっている」という参考情報として受け止めつつ、自分の商圏・資金・技術力に照らして冷静に判断していただきたいと思います。統計は背中を押す材料にはなっても、代わりに判断してはくれません。最終的な決断は、自分の足元の数字を見てから、ということを忘れないでください。
※開業ジャパン編集部の見解です。加盟・投資のご判断はご自身の調査・専門家への相談とあわせて行ってください。
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