「研修中に別室へ呼び出されて、偉い人が出てきて『特別なプランをご提案したい』と。加盟金がプラス数百万円です」。
契約した後の研修中に、追加のお金の話が出てくる——。にわかには信じがたい話ですが、これは実際に7つのフランチャイズに加盟してきたオーナーの実体験です。
開業ジャパンのYouTubeチャンネル「オグモーのフランチャイズを学ぼう」、今回の密着ゲストは株式会社セオリー代表・岩村社長。脱サラしてFCに加盟し、数々の失敗を経て3年で年商1億円を突破。累計加盟件数は7つにのぼります。
この記事はその動画の書き起こしを読みやすく整理したものです。**数字や評価はすべて岩村社長個人の発言と体験にもとづくもので、開業ジャパンが裏取りしたものではありません。**批判的に語られた本部の実名は、動画内でも明かされていないものは記事でも伏せています。
今の主力は重度訪問介護FC:月商1,000万円、その中身
まず現在の柱から。岩村社長の主力は重度訪問介護のFCで、売上は毎月1,000万円、営業利益率は15%程度と説明しています。
重度訪問介護とは、難病や重い障害のある方の自宅での生活を、ヘルパーが24時間体制で支える仕事です。収支の構造も具体的に語られました。
- 利用者1人あたりの売上は月50〜100万円。原資は国からの報酬(介護給付)
- 一度契約すると継続する積み上げ型のモデル
- 加盟金は100万円強、ロイヤリティは2〜3%程度(発言ベース)
- ただし離職率が非常に高く、「100人採用して残るのが30人」の世界。採用し続ける覚悟が要る
「偉い儲かるようなビジネスモデルではない」と本人が釘を刺しているのがポイントです。需要に供給が追いついていない領域で、社会性と収益性を両立させている一方、人材面の難易度は高い——と、良い面と大変な面をセットで話しています。
アサイーボウル専門店の現実:初月255万円、手元に残るのは
もう1つの運営店が、群馬・高崎のアサイーボウル専門店(8坪)。加盟金220万円・ロイヤリティ10%。オープン初月こそ600万円を売り上げたものの、現在の月商は255万円。ただし——
飲食店あるあるなんですけど、最初は売上がえぐいわけですよ。(中略)粗利で言うと30万円ぐらい。正直、利益はほとんど出ていない。(岩村社長)
初月に人を採りすぎた失敗も率直に明かしています。求人を出したら1週間で15人ほど応募が来て、嬉しくて全員採用→人件費で利益が消えた。ただし後から「オープン時はオペレーションが不慣れなので、人件費を多めにかけてでも回した方がクレームを防げる」という学びもあった、と。
本部への注文も具体的です。SV(スーパーバイザー)が半年間一度も店舗に来ていないこと、出店候補地として「200m先に既存店がある物件」を紹介されたことを挙げ、「拡大期に出店候補の精査がちゃんと行われているのか心配」と指摘しています。
被害額500万円:買取FCで実際に起きたこと
タイトルにもなっている買取系FCの体験談は、この動画で最も生々しい部分です。岩村社長が「これはやばいと思った」と挙げた出来事は2つ。
- 研修で聞かされた”成功事例”が、純金の仏具を「金メッキ」と言って安く買い取り数百万円の利益を出した話だった。「結局騙してるわけじゃないですか。それを成功のように言ってくるのは、やばいなと思った」
- 研修中に別室へ呼ばれ、「特別なプラン」として加盟金を数百万円上乗せする提案を受けた。「あらゆる協力体制がプラスされて成功間違いなし、というトーク。私もアホだからコロッとやられた」
このほか、「契約から撤退まで、一度も本部の人と会わなかった」というライブチャット系FCの話も出てきます。
フランチャイズの闇は、情報弱者の脱サラの人たちをどう保護するかではなく、どう取るかになっている部分。フランチャイズのモデル自体が悪いわけじゃない。悪い展開の仕方をする会社があるのが問題なんです。(岩村社長)
危ない本部の共通点と、契約書で見るべきところ
7社と契約してきた経験から、岩村社長が挙げた「危ない本部」のサインは次の通りです。
- 営業が強めで、契約内容が本部側に圧倒的に有利
- 中途解約のハードルが極端に高い(例: 5年契約で2年で撤退しても、残り3年分の違約金や想定ロイヤリティを請求される)
- 「最初の1年間は解約できない」条項。実際に1年以内に撤退した加盟者が、営業していない店のロイヤリティを払い続けている例を知っている
- いいことばかり言ってオーナーに期待だけ持たせる
一方、意外な持論もあります。「加盟金は高ければ高い方がいい」。
加盟金が高くてロイヤリティもしっかり取るところは、支援を前提にした設計になっている。これだけお金を取るということは、フランチャイズパッケージに自信があるという裏返しなので、逆に安心なんです。(岩村社長)
安い加盟金は「支援を前提にした設計になっていない」——この見方は、9つのFCに加盟した大楽さんの回でもまったく同じ趣旨の発言が出ており、複数加盟オーナー2人が別々の言葉で一致した数少ないポイントです。
岩村流・加盟先の選び方:「生存率」と店舗数15〜50
では何を基準に選べばいいのか。岩村社長の答えは**「生存率」**という独自のフィルターでした。
- 既存店舗数が15〜50店舗の範囲にあるブランドが理想
- 失敗(撤退)の確率が5%程度以下か。「20店舗出して1店舗まで」の水準
- 10店舗程度では、11店舗目の自分だけ赤字になる確率がまだ読めない
- 逆に100〜150店舗あると、今度はエリアの取り合いになる。「なるべくエリアが空いている方が運転しやすい」
さらに物件選びの実地ノウハウも披露しています。「Googleマップは情報が古い。行くと違っていたことが多々ある」ので必ず現地で周辺を確認する、近くの飲食店が長く続いているかを見る(長く続いている=その立地で利益が出ている証拠)、商業施設や駐車場の有無——密着中には候補物件を「外観だけなら80点」と即座に採点する場面もあり、このあたりは動画で見る価値があります。
それでも「フランチャイズは光」
これだけの失敗談を語ったうえで、「フランチャイズは闇なのか光なのか」という問いへの答えは、迷いなく**「光」**でした。
ビジネスをしたことがない人が事業を始めてうまくいく確率がどれだけあるのか。この世の中、甘くないじゃないですか。だからフランチャイズがあるんですよ。脱サラの人はフランチャイズじゃないと、ほぼ無理でしょうね。(岩村社長)
最後に語った夢は、「知識がなさすぎて失敗する人、借金を抱えてしまう人を1人でも救えるような展開をしたい」。自身が損切りと失敗のノウハウを蓄積してきたからこそ、の言葉です。
編集長のまとめ:この動画をどう使うか
この回から持ち帰るべきは、暴露話そのものより**「選び方の型」**です。
- 店舗数15〜50・失敗確率5%以下という生存率フィルターに、検討中のブランドを当てはめてみる(撤退数は資料請求や面談で必ず聞く)
- 契約書の解約条項を最優先で確認する(違約金、残期間ロイヤリティ、最低契約期間)。不安ならFC契約書チェックへ
- 契約後に条件が変わる話が出たら、その場で立ち止まる。研修中の追加提案は典型的な危険サイン
- 本部が「なぜFC展開しているのか」を自分の頭で考える
自分に合う業態がまだ絞れていない方は無料の開業診断から、具体的なブランドを比較したい方はフランチャイズ一覧からどうぞ。
この記事のもとになった動画
「オグモーのフランチャイズを学ぼう」オーナー密着回。物件の実地チェックの様子や本部とのやり取りの細かいニュアンスは、ぜひ元動画でご覧ください。
※本記事は動画の自動字幕をもとに編集部が要約・整理したものです。発言の趣旨を損なわない範囲で表現を整えています。記事中の評価・数字は出演者個人の発言であり、各本部の見解を代表するものではありません。
みんなの質問コーナー
この記事に寄せられそうな疑問に、開業ジャパン編集長が答えます
この動画で岩村社長が語ったのは「ある有名な買取系FCで、研修中に別室に呼ばれて加盟金を数百万円上乗せする特別プランを提案された」「純金をメッキと言って買い取った話を成功事例のように語られた」という個人の体験談です。買取FC全体の話ではありませんが、契約後に条件を上乗せしてくる本部や、研修内容に倫理的な問題を感じる本部は避けるべきサインだと言えます。
岩村社長の基準は「生存率」です。加盟検討先の既存店舗数が15〜50店舗の範囲で、撤退などの失敗確率が5%程度以下に収まっているかを見ると話しています。店舗数が多すぎるとエリアの取り合いになり、少なすぎると実績の検証ができない、という考え方です。
動画内の説明では大きく2つ。①直営店を出し続ける資金が足りないためFCの仕組みで拡大する、②失敗リスクに自信が持てない部分をオーナーの資金とリスク負担で出店する——です。本部がなぜFC展開しているのかを考えることが、危ない本部を見抜く出発点になるとしています。
岩村社長は「ぶっちゃけた話をしたうえでも、FCは光」と答えています。ビジネス経験のない人が独力で起業して成功する確率は極めて低く、脱サラ組にとってFCはほぼ唯一の現実的な選択肢だという立場です。ただし「情報弱者を狙う展開の仕方をする会社」が混ざっていることが問題だと強調しています。
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