インタビュー

フランチャイズに9つ加盟したらどうなる?年商3.8億円・大楽さん(37)に「いい本部・ヤバい本部」の見分け方を聞いた

2026/8/31 更新

フランチャイズに9つ加盟したらどうなる?年商3.8億円・大楽さん(37)に「いい本部・ヤバい本部」の見分け方を聞いた

「開店祝いのお花が本部から送られてきて、月末にロイヤリティの請求書と一緒に花代の請求書が届いたんですよ」。

フランチャイズに9つ加盟してきたオーナーの口から出てくる実話は、資料請求のパンフレットには絶対に載っていないものばかりでした。

開業ジャパンのYouTubeチャンネル「オグモーのフランチャイズを学ぼう」今回の密着ゲストは、大楽(だいらく)さん・37歳。2社を経営し年商は約3.8億円。鰻の成瀬、整足院など計9つのFCに加盟し、現在7つを運営、2つを売却済みという「FC加盟のプロ」です。

この記事はその動画の書き起こしを読みやすく整理したものです。**数字や評価はすべて大楽さん個人の発言と体験にもとづくもので、開業ジャパンが裏取りしたものではありません。**また各本部には本部側の言い分があり得ます(動画内でも「違うということであればぜひ出演してほしい」と呼びかけています)。1人のオーナーの1次情報として読んでください。

「FC加盟9個」と明かす大楽さん
冒頭からいきなり「FC加盟9個」(0:39〜この場面を動画で見る)

加盟した9ブランドの内訳:月商1,000万円のうなぎ屋から、冬に月25万円のソフトクリーム屋まで

大楽さんが動画内で挙げた運営店舗の売上感は次の通りです(いずれも本人の発言ベース)。

業態売上の目安(発言)備考
うなぎ屋(鰻の成瀬)繁忙期は月1,000万円近く初期費用は約1,100万円と最大。内装・設備が重い
整足院(3店舗)3店舗合計で月290万円程度外反母趾の施術。すでに売却手続き中
ソフトクリーム店夏の初月200万円 → 冬は25万円季節変動が極端。すでに撤退
期間限定型の飲食初月150万円 → 2ヶ月目100万円いわゆる「トントンモデル」だったと述懐
訪問鍼灸月150〜170万円小規模本部だが教育・集客支援が手厚いと評価
個別指導塾(2店舗)2店舗で月100万円程度生徒数17人まで落ちた教室を39人まで回復
鍼灸サロン施術者1人あたり月60万円程度定例ミーティングの質を高く評価

注目すべきは、大楽さんが**「ロイヤリティを差し引いた後の収支で最初から計算している」**と明言していることです。FCの収支モデルを見るときに粗利や売上だけで判断していない、という基本姿勢がまず参考になります。

雪の札幌、うなぎ店の店舗前に到着する場面
密着は実店舗を回りながら。うなぎ店では「飲食店の土地選び」を実地で解説(8:10〜この場面を動画で見る)

「ここの本部、常識から逸脱してるのかな」と思った瞬間

冒頭の花代の話は、撤退したソフトクリームFCでの出来事です。大楽さんが挙げた違和感は2つ。

  1. 開店祝いの花の代金が、月末にロイヤリティ請求書と一緒に届いた
  2. 数十万円の研修費を払ったのに、研修内容がひたすら「袋のシール貼り」だった

「ノウハウじゃないですよね」という編集長の問いに「そうです。徐々に不満が溜まって、結局やめた」と答えています。

開店祝いの花代の請求書について語る大楽さん
「月末にロイヤリティの請求書と一緒に……」花代の実話を語る場面(2:36〜この場面を動画で見る)

もう1つ、契約面で具体的に挙がったのが撤退時の条項です。

5年契約で、撤退してからも想定ロイヤリティを払い続けなければいけない契約があるんですよ。(大楽さん)

契約書の何を見るべきかという質問への答えは明快で、「撤退のときにどうなるかは絶対に見ておいた方がいい」。加盟時は誰もが成功を前提に考えますが、複数加盟の経験者が真っ先に挙げたのは出口条項でした。ここは開業ジャパンのFC契約書チェックでも重点的に見ているポイントです。

「いい本部」として名前が挙がった2社の共通点

一方で、大楽さんは良かった本部も具体的に挙げています。共通点は**「加盟店の売上をどう伸ばすか」に本部の目線が向いていること**でした。

  • 鍼灸サロンの本部: 営業方法について定期的にミーティングを組んでくれる。「全FCにそれをやっている本部はあんまりない」
  • 訪問鍼灸の本部: 札幌と関東に数店舗の小規模本部だが、教育や集客の支援を「めちゃくちゃやってくれる」。「本部の大きい・小さいじゃない」
  • 整足院: 「近隣に出店の話が出たとき、意見を言ったらちゃんと聞いてくれる本部だった」

いい本部は、どうすれば加盟店の売上を伸ばせるかを注視してくれる。良くないフランチャイズは、どうすれば本部がもっと儲かるか、どれだけ多く出店させられるかに目が行っている。着眼点が違うんでしょうね。(大楽さん)

逆にエリア制については、「エリアの権利を買わないと(近隣への)出店を止められないモデルもある」と、本部によって設計が大きく違うことを指摘しています。近隣出店のルールは資料請求の段階で必ず確認したい項目です。

「初めて良かったFCは?」の問いに答える大楽さん
「良かった本部」を具体名で挙げていく場面(10:20〜この場面を動画で見る)

「加盟金が安すぎるFC」が逆に危ない理由

意外だったのが初期費用についての見解です。9つの加盟金のうち最高額は250万円、最も安かったのは個別指導塾とのことですが、大楽さんはこう言い切ります。

加盟金が安すぎるのは、「支援しないよ」ということの現れだと思いますよ。(大楽さん)

支援に力を入れている本部ほど、誰でも彼でも加盟させるようなことはしていない、という観察も添えています。「初期費用が安い=リスクが低い」と考えがちですが、安さはサポート体制の薄さの裏返しである可能性があるというのは、複数加盟したからこそ言える視点です。

「加盟金が安いFCは○○です」と語る場面
「加盟金が安いFCは○○です」——移動中の率直なひと言(12:47〜この場面を動画で見る)

売却のリアル:売り先は自由に決められない

現在、大楽さんは加盟店を「手放していく」方向で動いています。理由は、ノウハウを吸収し終えた後の拡大には、ロイヤリティと2店舗目以降も都度発生する加盟金が「単純な障壁になる」から。

そして売却の実務については、こんな実態を明かしています。

  • 店舗売却には本部の承認が必須で、売り先を自由に決められない
  • 数百万円で売れるケースがある一方、「ほぼタダみたいな状態での譲渡」になるケースも聞く
  • 整足院は本部への売却で、希望額を基準に交渉が進んだ

加盟金を払い、お客さんを根付かせた店を最後にいくらで手放せるのか。FCの収支計画には、この「出口の価格」まで含めて考える必要があります。

車中でFC売却の実態を語る大楽さん
「売却する時って本部の承認が絶対必要なわけですよ」(13:42〜この場面を動画で見る)

それでも「初心者にこそFCはいい」と言う理由

ここまで読むと「フランチャイズはやめた方がいいのでは」と感じるかもしれません。実際、編集長も動画内で「フランチャイズがそもそもいいのだろうか」と直球で聞いています。大楽さんの答えは明確でした。

  • 元はタマホームの住宅営業。「売ることはできても、事業を作ることができない」と自覚してFCを選んだ
  • ブランドが全国で増えれば、自分以外の力で集客も認知も伸びていく。「成功する確率・角度が上がる」
  • 向いているのは**「きっちりしている人」**。本部の言うことを実行し、分からないことを聞き、またやってみる——PDCAを回せる人
  • 最大の収穫は「完全にビジネスの視点が生まれたこと。この店舗ならどんな業態が合うか、どう集客すべきかが一瞬で分かるようになった」

人材面のノウハウも具体的です。応募者は入社時に適性検査(IQよりEQ=人間力を重視)を受けさせ、管理職には管理職用の検査を用意してふるいにかけているとのこと。「オーナーの熱量とスタッフの熱量には必ず差がある」前提で仕組みを作る、という話は多店舗運営を考える人には特に刺さるはずです。

1日の締めに「ビジネスの知見が生まれた」と語る場面
1日密着の締めくくり。「FCをやって良かったことは?」への答え(22:51〜この場面を動画で見る)

編集長のまとめ:この動画をどう使うか

この回の価値は、9つの本部を「同じオーナーの目」で横並びに比較した証言であることです。1つのFCの成功談・失敗談は世の中にあふれていますが、同一人物による9社の比較はめったに聞けません。

ただし繰り返しになりますが、この記事の内容はすべて大楽さん個人の体験と発言です。これからFCを検討する方は、次の3点を自分の目で確かめてください。

  1. 撤退時の条件(中途解約の違約金、撤退後のロイヤリティ、売却時の本部承認ルール)
  2. 近隣出店のルール(エリア保護があるか、権利金が必要か)
  3. 本部サポートの中身(定例ミーティングの頻度と内容を具体的に聞く。「加盟金が安い」の意味も)

契約書のチェックポイントはFC契約書チェックで、自分に合う業態選びは無料の開業診断で整理できます。気になるブランドがあればフランチャイズ一覧から資料請求してください。


この記事のもとになった動画

「オグモーのフランチャイズを学ぼう」オーナー密着回。本部とのやり取りの細かいニュアンスは、ぜひ元動画でご覧ください。

YouTubeで動画を見る/チャンネルを見る

※本記事は動画の自動字幕をもとに編集部が要約・整理したものです。発言の趣旨を損なわない範囲で表現を整えています。記事中の評価・数字は出演者個人の発言であり、各本部の見解を代表するものではありません。

開業ジャパン編集長

みんなの質問コーナー

この記事に寄せられそうな疑問に、開業ジャパン編集長が答えます

Q
複数のフランチャイズに加盟するメリットは?

大楽さんは「完全にビジネスの視点が生まれた。この店舗ならどんなビジネスが合うか、どう集客すべきかが一瞬で分かるようになった」と語っています。成功済みのモデルを本部の社長と一緒に試せることが最大の価値だという説明です。

Q
危ないフランチャイズ本部の特徴は?

動画内の発言では「どうすれば本部が儲かるかに目が行っている本部」「加盟金が安すぎる本部(=支援しない前提の設計)」「エリア配慮なく出店させる本部」が挙げられています。逆にいい本部は、加盟店の売上をどう伸ばすかを定例ミーティング等で具体的に支援してくれるとのことです。

Q
フランチャイズをやめる(売却する)ときはどうなる?

大楽さんの経験では、店舗売却には本部の承認が必須で、売り先を自由には決められません。数百万円で売れたケースがある一方、「ほぼタダ同然の譲渡になるケースもある」と話しており、撤退条件は契約前に確認すべきポイントです。

Q
フランチャイズ初心者でも複数加盟オーナーになれる?

大楽さんは30歳で起業し32歳頃からFC加盟を開始、5年ほどで9ブランドに達しました。「きっちりしている人、本部の言うことを実行してPDCAを回せる人が向いている。ビジネス初心者こそブランドの認知と集客を借りられるFCは有利」というのが本人の見解です。

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