キンパ専門店が31カ月連続で店舗数が減少している。フランチャイズ加盟店の赤字化に伴う閉店が相次いでおり、特定の飲食FC業態が市場で苦戦している実態が明らかになった。
出典: BigGo ファイナンス

開業ジャパン編集長より
編集長の視点
韓国風の海苔巻き「キンパ」を専門に扱う飲食店の数が31カ月連続で減少しているというニュースが入ってきました。単月の増減であればよくある話ですが、「31カ月連続」という数字は、一過性の不振ではなく構造的な問題が業態そのものに根を張っていることを示しています。しかもその減少の中身が、フランチャイズ加盟店の赤字化に伴う閉店だという点が、開業を検討している読者の皆さんにとっては特に見過ごせないポイントです。
31カ月という数字の重み
飲食業界では、新しい食のトレンドが生まれると短期間に専門業態のフランチャイズが乱立し、その後にブームが落ち着くと一気に淘汰される、というサイクルがたびたび繰り返されてきました。タピオカ専門店や高級食パン専門店など、過去にも似た動きがあったことを覚えている方も多いのではないでしょうか。キンパも「韓国発の新しい食文化」として注目を集め、専門店フランチャイズが各地に広がった時期がありました。しかし今回の報道は、そのブームが2年半以上にわたって縮小局面に入っていることを示しており、単なる季節要因や一時的な景気の波では説明がつきません。ここまで長く続く減少傾向は、需要そのものの天井が見えてしまった、あるいは加盟店側の収益構造に無理があった可能性を強く示唆しています。
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なぜ単一メニュー業態は苦戦するのか
一般論として、特定の一品に特化した専門業態には、メニューがシンプルで運営がしやすく、初期の話題性も作りやすいという強みがあります。一方で、客単価が上がりにくく、リピート需要だけで店を回し続けるのが難しいという弱みも抱えがちです。ブームの初期には行列ができても、目新しさが薄れると来店動機が弱まり、売上が想定より早く落ち込むケースは飲食FC全体でしばしば見られます。さらに、原材料費や人件費が上昇する局面では、単価の低いメニュー中心の業態ほど利益率の圧迫を受けやすく、加盟店オーナーの手元に残る利益が想定よりずっと少なくなることも珍しくありません。今回のキンパ業態の閉店ラッシュも、こうした「ブーム型・単品特化型」飲食FCが抱えやすい構造的なリスクが表面化した一例として捉えることができます。
開業検討者にとってのチャンスと注意点
もちろん、この状況をすべて悲観的に捉える必要はありません。市場から弱い業態が退場していくこと自体は、業界の新陳代謝として自然な現象であり、居抜き物件の取得コストが下がったり、競合が減って生き残った店舗の商圏内シェアが上がったりといった副次的なチャンスが生まれることもあります。また、話題性のある新業態に飛びつくのではなく、腰を据えて長く続けられる業態を見極める重要性を、今回のニュースは改めて教えてくれます。
一方で注意すべき点も明確です。フランチャイズ加盟を検討する際は、加盟時点での店舗数や成長スピードの華やかさだけでなく、既存加盟店の閉店率や退店理由を本部にきちんと確認することが欠かせません。急拡大した業態ほど、後になって淘汰が一気に進む傾向があるためです。加えて、話題性の高い食のトレンド系業態は、初期投資の回収期間が短めに見積もられていることが多いのですが、ブームが去った後の収益シミュレーションまで示してくれる本部は多くありません。契約前には「ブームが落ち着いた後の売上想定」を必ず自分の頭で考え、楽観的な数字だけを鵜呑みにしないことが大切です。
編集長の結論: 流行より仕組みを見る
今回のニュースを見て改めて感じるのは、飲食フランチャイズの世界では「今売れているかどうか」よりも「10年後も売れる仕組みになっているかどうか」を見極める視点が何より重要だということです。キンパという食文化そのものに罪はありませんし、今後も工夫次第で需要を掘り起こせる可能性はあるでしょう。しかし、フランチャイズという仕組みで多店舗展開する以上、加盟店オーナー一人ひとりの生活がその収益構造の上に乗っているという事実を忘れてはいけません。31カ月連続の減少という数字の裏には、閉店を選ばざるを得なかった経営者の判断が積み重なっています。開業を検討している皆さんには、流行に乗ることそのものを否定するつもりはありませんが、その流行がいつまで続くのか、続かなかった場合にどう撤退するのかまで含めて、契約前に冷静に見極めていただきたいと思います。編集長としては、こうした業界の動きを継続的にお伝えしながら、皆さんが後悔のない選択をするための材料を今後も提供していきます。
※開業ジャパン編集部の見解です。加盟・投資のご判断はご自身の調査・専門家への相談とあわせて行ってください。
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