ドーナツ専門店「STANDARD DONUTS」を運営する株式会社温度が、株式会社doubleと九州エリアのマスターフランチャイズ契約を締結。地域密着型のFC展開により、九州での店舗拡大を本格化させる。食品小売業界でのFC募集活動の活発化を示している。
出典: フーズチャネル

開業ジャパン編集長より
編集長の視点
ドーナツ専門店「STANDARD DONUTS」を運営する株式会社温度が、株式会社doubleと九州エリアのマスターフランチャイズ契約を結び、広域展開を始めたというニュースです。一見すると「また一つFCチェーンが地方展開を広げた」という程度の話に見えますが、開業や独立を検討している読者にとっては、フランチャイズ(以下FC)本部がどのように市場を広げていくのか、その手口の一つを知る良い材料になります。まずはこの「マスターフランチャイズ」という契約形態から整理していきましょう。
マスターフランチャイズとは何か
通常のFC加盟は、本部と加盟希望者が一対一で契約し、1店舗(あるいは複数店舗)を個人や法人が直接運営する形が一般的です。これに対してマスターフランチャイズ(MFC)契約は、特定のエリアにおける出店・運営の権利をまとめて一社に委ねる仕組みです。委ねられた側(今回で言えば株式会社double)は、そのエリア内での店舗開発や運営、場合によってはさらに下位の加盟店募集までを担うことになります。本部からすると、人員や土地勘が不足している地域に自社だけで進出するよりも、その地域に強いパートナーに任せたほうが早く確実に広げられるというメリットがあります。
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今回のニュースで注目すべきは、温度という本部が自力での全国展開ではなく、エリアごとにパートナーを立てる方式を選んだという点です。これは裏を返せば、ドーナツという業態がFCモデルとして「広げられる形」に整ってきたことの表れでもあります。単品商材で原価率や製造オペレーションが比較的読みやすい業態は、MFCのような間接展開と相性が良いのです。
食品小売FCが活発化する背景
ここ数年、食品小売・飲食の分野ではFC募集の動きが目立ちます。背景には、個人消費が落ち着きを見せる中でも「専門店化」した小商圏ビジネスへの需要が根強いこと、そして本部側にとって直営出店よりもFC展開のほうが初期投資やリスクを分散できるという事情があります。特にドーナツやベーカリーのような単品特化型の業態は、調理の標準化がしやすく、未経験者でも一定の研修でオペレーションを回せる点がFC向きとされています。
一方で、こうした業態は競合が参入しやすいという裏返しの弱点も持っています。専門性が高すぎないぶん、似たコンセプトの店が近隣にできた途端に客足が分散するリスクもあり、本部のブランド力や商品開発力がどこまで続くかが長期的な採算を左右します。
開業検討者にとってのチャンスと注意点
このニュースを見て「九州でドーナツ店を出せるチャンスだ」と早合点するのは早計です。MFC契約は、あくまで本部とエリア統括会社との間の契約であり、個人が直接加盟できる窓口が開かれたことを意味するわけではありません。今後、株式会社doubleが九州エリアでの出店や加盟店募集をどのように進めるのかによって、個人が参入できる余地が生まれるかどうかが変わってきます。現時点では「地域展開が本格化した」という事実があるだけで、具体的な加盟条件や募集要項はまだ見えていません。
それでも、こうした地域統括型の展開は、今後その地域での加盟募集が活発化する前触れになることが多く、情報としては押さえておく価値があります。チャンスとして捉えるなら、今後の公式発表や説明会情報をこまめに追い、条件が明らかになった段階で冷静に比較検討することです。注意点としては、エリア統括会社を経由する契約の場合、本部直接のFCよりも契約の階層が一段増えるため、ロイヤリティの構造や指導体制が誰の責任範囲なのかを事前にしっかり確認する必要がある、という点です。契約主体が本部なのか統括会社なのかで、トラブル時の対応窓口も変わってきます。
編集長の結論: 情報の鮮度を追う価値はある
今回の契約自体は、まだ個人が加盟できる段階の話ではありませんが、食品小売業界でFC展開の動きが活発であることを示す象徴的な事例だと感じています。ドーナツのような単品専門業態は、初期投資や技術習得のハードルが比較的低く見えるぶん、参入を考える方にとって魅力的に映りやすい領域です。ただし、見えやすいぶん競合も入りやすく、ブランドの独自性がどこまで維持されるかは本部の企画力次第という側面があります。
編集長としては、こうしたMFC型の展開ニュースが出たときこそ、焦って問い合わせるのではなく、まずは本部の実績や既存店の状況、そして今後出てくるであろう募集条件を比較の土台として待つ姿勢をおすすめします。「広がっている」ことと「自分にとって良い投資である」ことは別の話です。情報の鮮度を追いながらも、最終的な判断材料は数字と契約条件でしか得られないということを、改めて意識していただければと思います。
※開業ジャパン編集部の見解です。加盟・投資のご判断はご自身の調査・専門家への相談とあわせて行ってください。
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