フランチャイズ

ハンバーガーのフランチャイズ加盟で最初に確認する12項目|ロイヤリティ3方式の違いから自分で試算する

2026/9/14 更新

ハンバーガーのフランチャイズ加盟で最初に確認する12項目|ロイヤリティ3方式の違いから自分で試算する

ここ数年、街のハンバーガー店が増えました。高価格帯のグルメバーガー専門店が地方都市にも出てきて、「ハンバーガー フランチャイズ」で調べる人がじわじわ増えています。ラーメンや焼肉に比べて調べられる情報が少ないぶん、加盟相談でも「そもそも何を聞けばいいのか分からない」という声が多い分野です。

この記事は、その「何を聞けばいいのか」を渡すための記事です。

ハンバーガーのフランチャイズで最初に確認すべきは「本部の数字がどこまで出ているか」

先に正直なことを書きます。開業ジャパン編集部は現時点で、ハンバーガー専門のフランチャイズ本部から、加盟金・ロイヤリティ・モデル収支の一次データ(本部が公表している実際の数字)を入手できていません。

なので、この記事では「ハンバーガーFCは平均で月◯万円儲かります」とは書きません。書けないからです。そして、書かないほうが読者の役に立つと考えています。理由は3つあります。

  1. ハンバーガーは価格帯で別の商売になる。 500円台のファストフード型と、1,800円前後のグルメバーガー型では、必要な立地も人数も設備も違います。この2つを平均した数字には、ほとんど意味がありません。
  2. 立地依存度が極端に高い。 ハンバーガーは「わざわざ行く店」と「通りがかりに寄る店」が混在する業態です。同じ看板でも、駅前・郊外ロードサイド・住宅街で売上が大きく変わります。
  3. 本部の数は多くない。 大手チェーンの加盟条件は公募されていない時期もあり、中小の本部は条件が個別交渉になりがちです。「業界平均」を出せるほどサンプルがありません。

そのかわり、この記事では次の3つを渡します。

  • ① ロイヤリティの3方式の見分け方(実在ブランドの公表数字で違いを確認します)
  • ② ハンバーガー業態にしかないコスト構造
  • ③ 自分で埋める手取り試算シートと、本部に聞く12の質問

数字を受け取るのではなく、数字を自分で取りに行く側になるための記事だと思ってください。

ロイヤリティは3方式ある|実在ブランドの公表条件で違いを見る

ロイヤリティとは、フランチャイズに加盟した人が本部に毎月払う「看板とノウハウの使用料」です。ここの方式が違うだけで、同じ売上でも手元に残る額がまったく変わります。

方式は大きく3つです。

方式仕組み加盟者にとっての意味
定率(売上歩合)型月の売上に一定の%をかける売れないうちは軽い。売れるほど本部の取り分も増える
定額型売上に関係なく毎月いくら売上が小さい月ほど重くのしかかる。伸びた分は全部自分
仕入れ回収型ロイヤリティは無料か少額で、本部から仕入れる商品の値段に利益を乗せている「ロイヤリティ0円」の広告でも、原価率を見ないと判断できない

言葉だけだと分かりにくいので、開業ジャパンが本部から条件を公開してもらっている3ブランドの数字を並べます。いずれもハンバーガーの本部ではありません。ロイヤリティ方式の違いが手取りにどう効くかを見るための例として使います。

項目MUSCLE LAND(エンタメジム)ブランドインパクト(ブランド品物販・EC)Dr.Reset(リラクゼーション)
ロイヤリティ方式定率:売上の12%定額:月5万円(売上連動なし)定額:月10万円
初期費用(本部公表)450万円30万円(店舗・オフィス費は不要)約300万円
加盟金50万円30万円120万円(ほかに保証金30万円)
本部モデルの売上月商560万円月商100万円/月商200万円月商140万円
本部モデルの利益月約100万円月商100万円で純利益約19.5万円/月商200万円で約24.5万円営業利益 月20.5万〜25万円
① その利益は返済前・税前か本部未公表返済前・税前(借入を前提にした記載なし)営業利益=返済前・税前
② 返済後に残る額本部未公表借入をすればここから別途差し引き本部未公表
③ オーナー自身の人件費本部未公表含まず(オーナーが自分で動き、人件費0の前提)本部未公表

※金額はいずれも本部公表値です。時期や条件により変動します。最新情報は各ブランドの公式情報でご確認ください。 ※詳細は MUSCLE LAND / ブランドインパクト / Dr.Reset の各ページにあります。

この表から読み取ってほしいのは、金額の大小ではなく構造です。

  • ブランドインパクトは月商が100万円から200万円へ倍になっても、純利益は19.5万円→24.5万円と1.3倍弱しか増えていません。売上が伸びても利益がそれほど伸びないのは、ロイヤリティが定額だからではなく、**仕入原価が約75%**を占めているからです。つまり「ロイヤリティが安い=有利」とは限らない、ということです。
  • Dr.Resetは月商140万円に対してロイヤリティが月10万円。率に直すと約7%です。もし月商が半分の70万円になれば、率としては約14%に跳ね上がります。定額型は、売上が落ちたときに一番きつい方式です。
  • MUSCLE LANDの12%という定率は、月商560万円なら月67.2万円。額は大きく見えますが、売上が落ちれば同じ比率で下がります。下振れしたときのクッションになるのは定率型です。

ハンバーガーの契約で、ここに直結する確認ポイント

ロイヤリティが定率だった場合、「売上」の定義を必ず契約書で確認してください。ここが曖昧なまま加盟すると、後から数字が合いません。

  • 税込売上か、税抜売上か
  • デリバリー(Uber Eats、出前館など)の売上も対象か
  • その場合、プラットフォームへの手数料を引く前の金額にロイヤリティがかかるのか、引いた後か
  • クーポンや値引きの分は、値引き前と値引き後のどちらで計上するか

ハンバーガーはデリバリーとの相性が良い業態です。だからこそ、「デリバリー手数料を引く前の売上にロイヤリティがかかる」契約だと、デリバリーを頑張るほど手取りが痩せるという現象が起きえます。手数料率は各プラットフォームと本部の契約で異なるので、必ず実際の数字を出してもらってください。

ハンバーガー業態にしかないコスト構造4つ

ここからが、ラーメンでも焼肉でもない、ハンバーガーだけの話です。

① パティとバンズは「本部指定仕入れ」になりやすい

ハンバーガーの味の中心は、パティ(肉)とバンズ(パン)とソースです。ここはブランドの生命線なので、本部が仕入れ先を指定するのが普通です。

つまり、原価率を自分の努力で下げられないということです。飲食店の経営では「安い業者に切り替えて原価を落とす」が定番の改善策ですが、FCのハンバーガー店ではその手が使えない前提で計算してください。さらにパティは牛肉相場の影響を受けます。契約書に仕入価格の改定条件(何か月前に通知されるのか、上限はあるのか)が書かれているかを見てください。

② ピークが昼の2〜3時間に集中する

ハンバーガーはランチの比率が高い業態です。1日の売上の相当部分が正午前後に集中するため、その時間帯に合わせた人数を用意しなければならない一方、その前後は手が空きます。

これは人件費が「時間帯に張り付く」という意味です。月の営業時間全体で薄く人を配置する業態(カフェなど)とは、シフトの組み方も採用の難しさも違います。ピーク2時間を回せる人が採用できるかが、そのまま店の上限になります。

③ 作り置きか、オーダー後調理か

同じハンバーガーでも、あらかじめ作って保温しておく方式と、注文を受けてから焼く方式があります。前者は提供が速いかわりに廃棄ロスが出ます。後者はロスが少ないかわりに提供が遅く、ピーク時に行列が詰まります。

本部の説明を聞くときは、「どちらの方式か」と「廃棄ロスは売上の何%を見込んでいるか」をセットで聞いてください。この数字を持っていない本部は、店舗運営の実データを持っていない可能性があります。

④ 排気・グリドル設備が物件を選ぶ

ハンバーガーは鉄板(グリドル)やフライヤーを使うため、排気ダクトとガス容量の条件が厳しい業態です。ここが、初心者がいちばん見落とすところです。

  • 飲食店の居抜き物件(前の飲食店の設備が残っている物件)でないと、ダクト工事だけで数百万円規模になることがある
  • ビルのテナントだと、上階への臭気・排気の問題で貸主の許可が下りないことがある
  • ガス容量が足りず、引き込み工事が別途必要になることがある

物件を先に決めてから本部に相談すると、この条件で弾かれて振り出しに戻ることがあります。物件候補は、必ず契約前に本部の設備条件と突き合わせてください。

グルメバーガーとファストフード型は、まったく別の商売

「ハンバーガー店をやりたい」と言う人の頭の中には、たいてい2つのうちどちらかがあります。この2つは、必要なものがほとんど違います。

ファストフード型グルメバーガー型
客単価の考え方低単価・高回転高単価・低回転
売上をつくるもの立地と通行量商品力とファン
向く立地ロードサイド、駅前、商業施設路面の2階でも成立しうる
必要な人数ピークに厚く、多め少人数でも回る場合がある
オーナーに求められるものシフト管理と標準オペレーションの徹底商品と世界観への深い関与
本部の看板の効き方効く(知名度がそのまま来店になる)効きにくい(客は店と作り手を見ている)
フランチャイズとの相性高い相対的に低い

ここで大事なのは、グルメバーガー型は本来フランチャイズと相性が良くないということです。お客さんがファンになる対象が「ブランド」ではなく「その店・その人」だからです。それでもFCとして展開しているブランドがあるなら、本部が何を提供してくれるのか(レシピか、仕入れルートか、集客か、それとも名前だけか)を具体的に確認してください。名前だけで毎月ロイヤリティを払う契約になっていないか、という話です。

逆にファストフード型は、看板の力がそのまま売上になる代わりに、立地の良い物件を取れるかどうかで勝負がほぼ決まります。「物件は自分で探してください」という本部なのか、本部が候補を持ってきてくれるのかは、加盟前に必ず確認する項目です。

事業計画と数字を書き出すイメージ

手取りを自分で計算する|空欄を埋める試算シート

本部からもらったモデル収支をそのまま信じるのではなく、この形に並べ替えてください。項目の順番に意味があります。

行項目あなたの数字
A月商(デリバリー含む)   万円
B原材料費(パティ・バンズ・ソース・包材)−   万円
C人件費(自分以外)−   万円
D家賃・共益費−   万円
Eロイヤリティ・広告分担金−   万円
F水道光熱費・デリバリー手数料・その他−   万円
①返済前・税前に残る額(A−B〜F)**   万円**
②借入返済を引いた後の額**   万円**
③自分の人件費(生活費)は上に入っているか入っている/入っていない

この3行が、加盟判断の全部です。本部のモデル収支に「月◯◯万円の利益」と書いてあっても、それが①なのか②なのか、③はどちらなのかが書かれていない資料は、判断材料になりません。 先ほどの3ブランドの表でも、ここを揃えて並べると「本部未公表」の欄がいくつも出てきました。それが普通です。だから聞くのです。

記入例(編集部逆算・計算の使い方を示すための仮の数字です。実在店舗の実績ではありません)

月商300万円、原材料費33%、人件費25%、家賃8%、ロイヤリティ5%、その他10%と仮に置くと、

  • 300万円 −(99+75+24+15+30)=①約57万円
  • ここから初期費用1,000万円を7年返済(金利別)とすると、月の元金返済だけで約12万円 →②約45万円
  • ③この45万円には、自分の給料がまだ入っていません。自分が月40時間ではなく月200時間働くなら、45万円は「月200時間働いた対価」です。

この最後の1行を飛ばして「月45万円残る」と読んでしまうのが、いちばん多い読み違えです。

なお、飲食店では「FL比率」(食材費Food+人件費Laborの合計が売上の何%か。60%以下が目安とされます)という指標が昔から使われますが、これはあくまで経験則で、業態によって適正値が違います。飲食業の一般的な数字の見方や、e-Statの政府統計で全国の飲食店が499,193事業所(全産業5,287,701事業所の9.4%、97産業中1位)ある市場の話は、飲食店のフランチャイズは儲かる? の記事にまとめてあるので、そちらを見てください。ここでは繰り返しません。

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和3年経済センサス-活動調査」を加工して作成

本部に聞く12の質問

資料請求や説明会で、この12個をそのまま聞いてください。答えをメモして、複数の本部で並べると差が見えます。

  1. ロイヤリティは定率・定額・仕入れ回収のどれですか。 3方式のどれかで、下振れしたときの重さが変わります。
  2. 定率の場合、「売上」は税込ですか税抜ですか。 消費税分だけで数%の差になります。
  3. デリバリーの売上はロイヤリティの対象ですか。手数料を引く前ですか、後ですか。 ハンバーガーではここが効きます。
  4. 広告分担金は別にありますか。いくらですか。 ロイヤリティとは別建てのことが多い費用です。
  5. パティ・バンズの仕入れは指定ですか。価格改定のルールは契約書のどこに書いてありますか。 原価を自分で下げられるかが決まります。
  6. 廃棄ロスは売上の何%を見込んでいますか。 実データを持っているかどうかが分かります。
  7. モデル収支の利益は、借入返済前ですか、税引前ですか。 試算シートの①か②かを確定させます。
  8. そのモデル収支に、オーナー自身の人件費は入っていますか。 ③の確認です。
  9. 物件は本部が探しますか、自分で探しますか。排気ダクトとガス容量の条件を書面でください。 物件探しのやり直しを防ぎます。
  10. 直営店とFC店はそれぞれ何店舗ですか。過去3年で閉店した店舗は何店ですか。 閉店数を答えたがらない本部は要注意です。
  11. 契約期間は何年で、中途解約するといくらかかりますか。 出口の条件は入口で確認します。
  12. 既存の加盟オーナーに直接話を聞かせてもらえますか。 本部が紹介を渋る場合、その理由を聞いてください。

12番は特に大事です。本部の資料より、実際に運営している人の1時間のほうが情報量が多いことがあります。

地方で開業する人がつまずくところ

地方でハンバーガー店を検討する場合、都市部とは別の論点が出てきます。

車で来られるか。 地方は車社会なので、駐車場の台数がそのまま席数の上限になります。「店内10席・駐車場2台」だと、家族連れが入りません。物件を見るときは、店内の広さより先に駐車場を数えてください。

ドライブスルーは物件条件が厳しい。 敷地の形、進入と退出の動線、隣地との関係で、作れる土地がかなり限られます。本部がドライブスルー前提のフォーマットなら、その条件を満たす土地が自分の商圏にあるかを先に確認したほうが早いです。

人が採れるか。 ピークに人手が要る業態なので、近くに高校・大学・工場などがあるかどうかが効きます。時給の相場は都市部より低くても、そもそも応募が来ない地域があります。採用のしやすさは、家賃の安さより重要な立地条件だと考えてください。

既存の大手チェーンがいるか。 同じ商圏に全国チェーンがすでにある場合、価格では勝負になりません。価格帯をずらす(グルメバーガー寄りにする)か、時間帯をずらす(朝・夜に強くする)か、立地をずらすかのどれかになります。この判断は本部と詰める話です。

まとめ|判断の順番を間違えないために

ハンバーガーのフランチャイズは、情報が少ないぶん「本部の説明を信じるしかない」状態になりがちです。だからこそ、順番を決めて進めてください。

  1. ロイヤリティの方式と「売上」の定義を確認する(定率か定額か、デリバリーは対象か)
  2. モデル収支を、返済前・返済後・自分の人件費の3行に並べ替える
  3. 仕入れが指定か、価格改定のルールがあるかを契約書で見る
  4. 物件の設備条件(ダクト・ガス・駐車場)を、物件を探す前にもらう
  5. 既存オーナーに会う
  6. 出口(契約期間・中途解約金)を確認してから契約する

この6つが終わるまでは、加盟金を振り込まないでください。順番を守れば、情報が少ない業種でも判断はできます。

契約書の条文を読んでいて「これは自分に不利なのかどうか分からない」という箇所が出てきたら、LINEの無料相談で、その部分だけ送ってもらっても構いません。加盟を勧めるためのものではないので、「やめたほうがいいと思う」という答えになることもあります。

ハンバーガー以外も含めて、どんな条件のフランチャイズがあるのかを先に眺めておきたい人は、フランチャイズ一覧から加盟金・ロイヤリティの実際の数字を見比べてみてください。方式の違いを3つか4つ見ておくだけで、本部の説明を聞く目が変わります。

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