買取フランチャイズの年収を調べると、同じ「月商500万円」という数字が出てくるのに、本部が示す利益は月15万円だったり月120万円だったりします。8倍の開きです。これはどちらかが嘘をついているのではなく、同じ条件で並べていないから起きます。
この記事では、開業ジャパンに掲載中の買取ブランドの公表データを使って、その差がどこから生まれるのかを分解します。そのうえで、大吉・おたからや・エコリングのような「条件が公開されていないチェーン」を、自分の手で同じ土俵に並べ直すための7項目シートを用意しました。
結論:買取フランチャイズの年収は、同じ月商500万円でも「月15万円」と「月120万円」に割れる
まず、実際に公表されている数字を並べます。どちらも本部が出している「モデル収支」です。
| 項目 | 買取専門つなぐ屋 | 不用品買取119番 |
|---|---|---|
| 初期費用(加盟金込み) | 200万円 | 750万円 |
| うち加盟金 | 150万円 | 100万円 |
| ロイヤリティ | 週2.5万円/店舗(月約10.8万円・編集部換算) | 粗利の10% |
| 本部モデル月商 | 500万〜1,000万円 | 500万円 |
| 返済前・税前に残る額 | 月120万円〜(本部公表) | 月15万円〜(本部公表) |
| 返済後(初期費用を全額借入と仮定) | 月約117万円〜(編集部逆算) | 月約5万円〜(編集部逆算) |
| 自分の人件費の扱い | 本部未公表(含むかどうか要確認) | 本部未公表(含むかどうか要確認) |
| 詳細 | /brands/ft-tsunaguya/ | /brands/ft-kaitori119/ |
※金額は本部公表値です。時期やエリア、キャンペーンにより変動します。最新情報は各公式サイトで確認してください。 ※「返済後」は、初期費用の全額を年2%前後・7年返済で借りたと仮定した編集部の逆算です。実際の金利・期間は借入先によって変わります。
この表の読み方で、いちばん大事なのは一番下の2行です。
返済後の行を見てください。つなぐ屋は月120万円から約3万円が引かれるだけですが、不用品買取119番は月15万円から約9.6万円が消えて、残りは月5万円ほどになります。初期費用750万円という金額が、毎月の生活費をそのまま削っているからです。
そして自分の人件費の扱いは、どちらも本部が公表していません。ここが空欄のままだと、「月120万円」が経営者の取り分なのか、それとも自分の給料を払う前の数字なのかが分かりません。もし自分の給料が引かれていなければ、月120万円のうち30万円は自分の生活費で消えます。年収の話をしているのに、いちばん肝心な行が埋まっていないのです。
ここまでで迷ったら 同じ月商でも本部モデルの前提はバラバラです。「この数字に自分の給料は入っていますか」と聞くだけでも答えが変わります。聞き方が分からないときは無料LINE相談で、比べたいブランド名を送ってもらえれば、確認すべき項目を一緒に整理します。
月商500万円が手元に残るまで:買取店の引き算を1枚で見る
なぜ同じ月商500万円で、残る額が8倍も変わるのか。買取店のお金の流れを追うと理由が見えます。
買取店の売上は「買い取った品物を、買った値段より高く売る」ことで成り立ちます。ここで使う言葉を先に説明します。
- 粗利(あらり):売った値段 − 買い取った値段。買取店の実質的な稼ぎです。
- 粗利率:売上のうち何%が粗利か。買取業ではこれが収支の心臓部です。
- ロイヤリティ:本部に毎月払う使用料。売上の何%、粗利の何%、月額固定など方式が分かれます。
月商500万円の店で、粗利率が違うとどうなるかを並べます。
| 粗利率20%の場合 | 粗利率35%の場合 | |
|---|---|---|
| 月商 | 500万円 | 500万円 |
| 買取原価(仕入れ) | 400万円 | 325万円 |
| 粗利 | 100万円 | 175万円 |
| 家賃・光熱費(仮に月25万円) | −25万円 | −25万円 |
| スタッフ1名(仮に月25万円) | −25万円 | −25万円 |
| 広告・チラシ(仮に月15万円) | −15万円 | −15万円 |
| ロイヤリティ(粗利の10%と仮定) | −10万円 | −17.5万円 |
| 返済前・税前に残る額 | 25万円 | 92.5万円 |
※これは編集部が仮の条件で組んだ試算です。特定ブランドの実績ではありません。
同じ売上でも、粗利率が15ポイント違うだけで残る額は約3.7倍になります。買取業では、何を買い取るかで粗利率がまるで変わります。貴金属やブランド品のように相場が明確で小さく高価な商材は粗利率が高くなりやすく、家具・家電のような不用品全般は、運ぶための車両費と人件費がかかるぶん手元に残りにくくなります。
つなぐ屋と不用品買取119番の差は、この「何を扱うか」の差がかなりの部分を占めていると考えられます。月商が同じでも、まったく別の商売なのです。
大吉・おたからや・エコリングを同じ表に並べられない理由
ここからが本題です。買取フランチャイズを調べる人の多くは、大吉・おたからや・エコリングといった全国チェーンの名前にたどり着きます。ところが、この3社を上の表に追加しようとすると、ほとんどの行が埋まりません。
編集部は、この3社の加盟金・ロイヤリティ・モデル収支の公表値を持っていません。 常時どこでも見られる形で数字が出ているわけではなく、資料請求や説明会の場で開示される形が一般的だからです。
ここで、埋まらない行を「本部未公表」で埋めた表を作ることもできます。でもそれはやりません。半分以上が空欄の比較表は、読者にとって何の判断材料にもならないからです。むしろ「大吉は未公表、おたからやも未公表」と並んでいるのを見ると、なんとなく3社が同じに見えてしまう。これがいちばん危ない誤解です。
代わりにやるべきことは、自分で数字を取りに行って、自分の手で同じ表に埋めることです。資料請求は無料ですし、聞かれた側も想定内の質問です。問題は「何を聞けばいいか」が分からないことだけ。

なお、大吉のような個別ブランドの数字の逆算については、同業買取FCの実データから手取りを組み立てた記事を別に用意しています。ブランド単体で深く知りたい場合はこちらを参照してください。
3社を同じ条件で並べ直すための7項目シート
資料請求や説明会で、この7つをそのまま聞いてください。全部聞けば、どのチェーンでも同じ表に並べられます。
① そのモデル収支は、何店舗・何人が稼働している前提ですか オーナー1人で回すモデルと、スタッフ3人を雇うモデルでは、同じ利益額でも意味がまったく違います。
② その利益に、オーナー自身の給料は含まれていますか いちばん重要な質問です。含まれていなければ、そこから自分の生活費を出すことになります。先ほどの比較表でも、この行は両ブランドとも「本部未公表」でした。
③ 家賃・水道光熱費・車両費は引かれていますか エリアによって家賃は数倍違います。「モデル収支の家賃はいくらで計算していますか」まで聞いてください。
④ 借入の返済は引かれていますか ほぼ引かれていません。初期費用を借りるなら、自分で引き算する必要があります。初期費用750万円を7年で返すなら、毎月およそ9.6万円が固定で出ていきます。
⑤ 税金と社会保険料の前ですか、後ですか モデル収支は基本的に税引き前です。個人事業なら所得税・住民税・国民健康保険、法人なら法人税などが、このあとにかかります。
⑥ ロイヤリティは「売上の%」「粗利の%」「月額固定」のどれですか 買取業ではここで大きく差が出ます。粗利の10%なら、儲からない月は負担も軽くなります。週2.5万円のような固定額なら、売上が落ちても同額を払い続けます。逆に、調子がいい月は固定額のほうが有利です。どちらが良いかではなく、悪い月に耐えられるのはどちらかで見てください。
⑦ 買い取った在庫は、いつ利益として数えていますか これは買取業にしかない質問です。次の章で説明します。
この7つを聞いたら、記事冒頭の表と同じ形に書き写してください。「返済前・税前に残る額」「返済後」「自分の人件費の扱い」の3行が全ブランドで埋まったとき、初めて年収の比較になります。
年収が下振れするのは、この3つが重なったとき
本部のモデル収支は、うまくいった場合の姿です。下振れするパターンには型があります。
1. 買取件数が読めない立地を選んだとき 買取店は「売りに来てくれる人」がいないと成立しません。飲食店のように通りがかりで入る商売ではなく、チラシ・Web・紹介で呼び込む商売です。人通りだけで立地を決めると、広告費が想定の倍になります。
2. 査定を覚えるまでの数か月 本物と偽物の見分け、相場の読み、値付けの感覚は、研修を受けてもすぐには身につきません。この期間は安全側に振った査定になり、買取件数も粗利も伸びません。最初の半年は本部モデルの数字が出ない前提で、生活費とは別に運転資金を用意しておくのが現実的です。
3. 相場が下がる局面に在庫を抱えたとき 貴金属を扱う店では、買い取った時点の相場と売る時点の相場が違います。下がっていれば、粗利が想定より薄くなるか、赤字になります。
この3つは単独ならしのげますが、「立地が弱い × 査定が未熟 × 相場が逆風」が重なった月に資金が一気に減ります。事業計画には、この重なった月を1〜2回は織り込んでおいてください。
買取業だけにある落とし穴:利益は「売れた日」にしか確定しない
他の業種から来た人がいちばん驚くのが、この点です。
飲食店なら、料理を出した瞬間に売上も利益も確定します。買取店は違います。100万円で品物を買い取った日、あなたの手元からは現金100万円が出ていき、利益はゼロです。 利益が生まれるのは、それを120万円で売った日です。
つまり買取業では、次の状態が普通に起こります。
- 帳簿上は黒字なのに、通帳の残高が減っている
- 在庫は積み上がっているのに、家賃が払えない
これを黒字倒産と言います。売れる見込みのある在庫を持っているのに、現金が先に尽きる状態です。
だから7項目シートの⑦で「在庫をいつ利益に数えているか」を聞く必要があります。もし本部のモデル収支が「買い取った時点」で利益を計上していたら、その数字は現金の動きとズレています。あなたが知りたいのは帳簿上の利益ではなく、毎月いくら生活費を引き出せるかのはずです。
対策はシンプルで、次の2つです。
- 売れるまでの日数(在庫回転日数)を本部に聞く。30日で売れる商材と、180日かかる商材では、必要な運転資金がまるで違います。
- 本部が在庫を買い取ってくれる仕組みがあるか聞く。多くの買取FCは本部オークションや卸ルートを持っています。ここが強いチェーンほど、現金化までの日数が短くなります。
なお、買取業を営むには古物商許可(中古品を売買するための許可)が必要です。営業所のある地域の警察署を通じて都道府県公安委員会に申請します。申請から許可まで時間がかかり、手数料もかかります。要件や費用は変わることがあるので、最新情報は警察庁・各都道府県警の公式サイトで確認してください。
「買取」と名前がついていても、中身がまったく別の仕組みもある
買取フランチャイズを検索していると、店舗を持たない低投資の案件も出てきます。ここで注意したいのが、同じ「買取」という言葉でも、まったく違う仕組みのものが混ざることです。
たとえば開業ジャパン掲載のHAOは、1口78.4万円(税込)から参加でき、頭金1万円+月8,200円の分割にも対応しています。ただしこれは店舗を運営する買取業ではなく、使われなかった宿泊権を本部が買い取る不動産オーナー制度です。本部の示す目安は最大で年4%相当とされていますが、保証はありません。
商材を仕入れて売る買取店とは、収益の生まれ方も、自分が働く量も、リスクの種類も別物です。「買取」という単語が同じだからといって、年収の比較表に並べても意味がありません。まず「自分が店に立って稼ぐ仕事」か「お金を預けて配分を受ける仕組み」かを分けてから、同じグループ同士で比べてください。
店を持たずに始める選択肢そのものに関心がある場合は、無店舗開業の考え方をまとめた記事も参考になります。→ 無店舗で開業する方法
背景と、資料請求の前にやること
買取店が含まれる「その他の小売業」の事業所数は、全国で328,813事業所(全97産業中2位、全事業所5,287,701の6.2%)です。出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和3年経済センサス-活動調査」を加工して作成。プレイヤーが多い市場なので、同じ商圏に競合が来る前提で計画を立てるのが現実的です。
最後に、資料請求の前にやることを3つにまとめます。
- 自分が必要とする月の手取り額を先に決める。月30万円なのか50万円なのかで、選ぶべきブランドも店舗数も変わります。数字を決めずに比較を始めると、本部の出す数字に引っ張られます。
- 記事冒頭の表の形をコピーして、空の表を作っておく。大吉・おたからや・エコリングのように公表値がないチェーンは、7項目シートの質問で自分で埋めます。
- 「返済前・税前に残る額」「返済後」「自分の人件費の扱い」の3行が全社で埋まるまで、判断を保留する。この3行が揃っていない比較は、年収の比較になっていません。
買取フランチャイズの年収は、月商ではなく粗利率・ロイヤリティ方式・初期費用の返済・在庫の回転日数の4つでほぼ決まります。同じ条件に揃えれば、どのチェーンが自分の資金量と働き方に合うかは、驚くほどはっきり見えてきます。
どのブランドから資料を取ればいいか迷ったとき、あるいは集めた数字をどう読めばいいか分からなくなったときは、無料LINE相談を使ってください。比べたいブランド名と、手元に残したい月の金額を送ってもらえれば、確認すべき項目を一緒に整理します。
買取以外の業種も含めて、掲載中のブランドの初期費用やロイヤリティを横断して見たい場合は、フランチャイズ一覧から条件を比べられます。
LINE友だち限定特典
非公開のビジネスプランと
未公開物件情報をお届け
サイトには載せられない非公開FC案件・優良物件・最新補助金情報を、LINE友だち限定で先行配信。登録は10秒、いつでも解除できます。
