コメダ珈琲のフランチャイズオーナーの年収は、1店舗なら返済後・税前でおよそ年382万円、月商が伸びた店で年1,198万円というのが、この記事で逆算した数字です(すべて編集部の試算)。3店舗に増やすと年2,045万円まで見えますが、同じ月商のまま店を増やすと手取りはほとんど増えません。その理由まで書きます。
先にお断りします。 コメダ珈琲店の加盟条件(必要資金・ロイヤリティの単価・物件の用意方法)は、候補者と物件ごとに本部から個別に提示される部分が大きく、細かい数字が広く公表されているわけではありません。この記事に出てくるコメダの金額・比率は、すべて編集部が仮に置いた数字です。実際に検討する段階になったら、本部から提示された数字に差し替えて計算し直してください。最新の募集条件は必ず公式サイトで確認をお願いします。記事の後半では、金額が全部公表されているカフェ系FCの実データと並べて、どこを見ればいいかを説明します。
コメダ珈琲のフランチャイズオーナーの年収|結論は1店舗で年382万円、3店舗で年2,045万円
前提は「郊外ロードサイド・100席・年中無休」の1店舗を、自分が店長として毎日立つ場合です。借入は4,000万円・15年・年2%で返すと仮定しました。
| 月商500万円の店 | 月商700万円の店 | 月商900万円の店 | 月商900万円×3店舗 | |
|---|---|---|---|---|
| 返済前・税前に残る額(年) | ▲306万円 | 690万円 | 1,506万円 | 4,518万円 |
| 借入返済後(年) | ▲614万円 | 382万円 | 1,198万円 | 約2,045万円 |
| 自分の人件費の扱い | 含まず(自分が店長) | 含まず(同) | 含まず(同) | 店長3名分は費用に計上済/自分の報酬は含まず |
※すべて編集部逆算。実際の店舗の数字ではありません。税金は引く前の金額です。
表でいちばん大事なのは3行目です。「返済後に残る年382万円」には、オーナー自身の給料が入っていません。 ここから税金を払い、生活費を出し、10年後の設備入れ替えに備えます。「年収382万円」と書くと会社員の年収と同じに見えますが、会社員の382万円には社会保険の会社負担分も有給もついています。同じ数字でも中身が違う、というのが最初の注意点です。
そしてもう1つ。月商500万円の行が赤字になっているのは、脅しではありません。大箱(おおばこ=席数の多い大きな店)は、売れなくても出ていくお金が大きいという業態の性質そのものです。ここは6章で詳しく書きます。
「自分の地域で月商いくらが現実的か」「自己資金でどこまで届くか」は、物件と商圏を見ないと答えが出ません。無料のLINE相談で、お住まいの地域・自己資金・希望の働き方を教えていただければ、この記事と同じ手順で一緒に逆算します。数字の確認だけでも構いません。
月商700万円が57.5万円になるまで|100席の大箱店の費用を分解する
年690万円(月57.5万円)がどう作られるのかを、1段ずつ引き算します。月商700万円は、1日あたり約23万円。客単価800円なら1日およそ290人が入る計算です。
まず、売上が変わってもあまり動かない費用(固定費)を置きます。
| 固定費(月) | 金額 | ひとこと |
|---|---|---|
| 家賃 | 85万円 | 郊外・駐車場付きの大箱を借りる前提 |
| ロイヤリティ | 15万円 | 100席×1,500円と仮定(単価は要確認) |
| 設備リース・修繕積立 | 35万円 | 厨房機器とエアコンの入れ替えに備える分 |
| システム・保険・消耗品 | 25万円 | |
| 固定費 合計 | 160万円 | 売上がゼロでも出ていく |
次に、売上に応じて動く費用を足して、3パターンを比べます。
| 月商500万円 | 月商700万円 | 月商900万円 | |
|---|---|---|---|
| 食材の仕入れ(28%) | 140万円 | 196万円 | 252万円 |
| 人件費(自分以外) | 180万円 | 231万円 | 297万円 |
| 水道光熱費 | 38万円 | 45万円 | 52万円 |
| 広告分担金(1.5%) | 7.5万円 | 10.5万円 | 13.5万円 |
| 固定費 | 160万円 | 160万円 | 160万円 |
| 費用合計 | 525.5万円 | 642.5万円 | 774.5万円 |
| 返済前・税前に残る額 | ▲25.5万円 | 57.5万円 | 125.5万円 |
| 利益率 | — | 8.2% | 13.9% |
※編集部逆算。「広告分担金」は、テレビCMやチラシの費用を本部と加盟店で分け合うお金のことです。
ここで注目してほしいのは人件費が売上ほどには下がらないことです。月商が500万円に落ちても、お店を開けている限りホールとキッチンに人は必要です。朝7時から夜23時まで開ける業態は、客が少ない時間帯も人を置かなければ回りません。だから**「暇だから人を減らす」がほとんどできない**。これが喫茶業態の利益を削る最大の要因です。
借入の返済は、投資額によって変わります。自分の数字を当てはめてください。
| 借入額 | 月の返済(15年・年2%) | 年の返済 |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 約12.9万円 | 約155万円 |
| 4,000万円 | 約25.7万円 | 約309万円 |
| 6,000万円 | 約38.6万円 | 約463万円 |
※編集部試算。元利均等返済。実際の金利は日本政策金融公庫や銀行の条件で変わります。
コメダの年収を決めているのは「席あたり売上」|1杯のコーヒーで3時間、という業態
コメダ珈琲店は、注文を席まで運ぶフルサービスの喫茶店です。ソファ席が広く、新聞や雑誌があり、お客さんは長く座ります。これは客としては最高ですが、**オーナーの計算では「回転が遅い」**ということでもあります。
ファストフードは1つの席に1日10人座らせて利益を作ります。フルサービスの喫茶は、同じ席に3〜4人しか座りません。では何で埋め合わせるのか。答えは席の数そのものです。
- 回転が遅い → 1席あたりの1日売上が小さい
- だから席を増やす → 100席以上の大箱になる
- 大箱にする → 郊外の広い土地が必要 → 投資額が大きくなる
- 投資額が大きい → 返済が重い → 月商が落ちた瞬間に赤字になる
この連鎖が、コメダ型の店の年収構造をほぼ決めています。だから見るべき数字は月商そのものより、席あたり月商です。月商700万円÷100席=1席あたり月7万円。この数字を、検討している物件の席数に掛けて逆算すると、自分の店の月商がいくら必要かが先に出ます。

たとえば120席の物件を提案されたら、月商は700万円ではなく840万円ないと同じ水準にはなりません。席が増えると必要な売上も家賃も人件費も増えるので、「席数が多い=儲かる」ではないのです。
多店舗化すると年収はどうなるか|2号店は1号店より月40万円多く売らないと、増えるのは手間だけ
ここがこの記事の本題です。相談でいちばん多い誤解が「2店舗目を出せば年収が倍になる」というもので、これは成り立ちません。
理由は1つ。2号店では、自分が店長をできないからです。
1号店の試算(月商700万円で月57.5万円)には、オーナー自身の給料が入っていませんでした。裏を返せば、自分がタダ働きしている分だけ利益が出ているということです。2号店では、そこに店長を雇う必要があります。
店長の年収を450万円と置くと、社会保険の会社負担(約15%)を足して年約518万円、月約43万円です。
| 1号店(自分が店長) | 2号店(店長を雇用) | |
|---|---|---|
| 店の返済前・税前利益(月商700万円) | 57.5万円 | 57.5万円 |
| 店長人件費(会社負担込み) | 0円(自分が入る) | ▲43万円 |
| 借入返済 | ▲25.7万円 | ▲25.7万円 |
| オーナーに残る額(月) | 31.8万円 | ▲11.2万円 |
※編集部逆算。2号店の借入も4,000万円と仮定。
同じ月商700万円の店を2つ持つと、2号店は月11万円の赤字になります。店が増えて、従業員が増えて、クレーム対応も税務も2倍になって、手取りは減る。これが多店舗化でいちばん起きやすい失敗です。
2号店が損益ゼロになるには、返済前・税前で月68.7万円(43万+25.7万)必要です。上の費用構造から逆算すると、月商およそ740万円。1号店より月40万円、約6%多く売って、やっとトントンです。
逆に、月商900万円クラスの店を3つ並べられたらこうなります。
- 各店:125.5万円 − 店長43万円 − 返済25.7万円 = 月56.8万円
- 3店舗合計:月170.4万円 → 年 約2,045万円(税引き前・自分の報酬はここから)
つまり多店舗化で年収が伸びるのは、1店舗あたりの月商を上げきった人だけです。順番を逆にしてはいけません。
席数で払うか、売上の何%で払うか|ロイヤリティ方式の差は年684万円
ロイヤリティ(本部へ毎月払う看板使用料)には、大きく2つの決め方があります。コメダ珈琲店は席数で決める方式だと説明されることが多いブランドですが、単価は本部に必ず確認してください。ここでは「100席×1,500円=月15万円」と仮に置いて、売上歩合の場合と比べます。
| 月商 | 席数課金(100席×1,500円) | 売上の5% | 売上の8% |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 15万円(売上比3.0%) | 25万円 | 40万円 |
| 700万円 | 15万円(売上比2.1%) | 35万円 | 56万円 |
| 900万円 | 15万円(売上比1.7%) | 45万円 | 72万円 |
月商900万円の店で、席数課金なら年180万円、売上の8%なら年864万円。差は年684万円です。オーナーの年収そのものが変わる幅です。
読み方はこうなります。
- 席数課金:売れば売るほど負担率が下がる。繁盛店ほど得。ただし売上が落ちても金額は変わらないので、不調の月は重い
- 売上歩合:売上が落ちれば支払いも減る。下振れに強いが、伸びた分を本部と分け合う
大箱・長時間営業・多店舗化を狙うなら、席数課金のほうが噛み合います。一方で「まず小さく試したい」人には歩合型のほうが安全です。どちらが正しいかではなく、自分の出口がどちらかで選ぶものだと考えてください。
下振れする条件4つ|月商500万円まで落ちると、1店舗目でも赤字になる
結論の表で月商500万円が赤字になった理由を、起きる順に並べます。
- 近くに競合が出る — 郊外ロードサイドは土地が空いています。向かいに同業態ができると、月商は1〜2割落ちます。月商700万→560万円で、その時点で赤字圏です
- 時給が上がる — 人件費231万円が5%上がれば月11.5万円の増。利益57.5万円の2割が消えます
- コーヒー豆・乳製品の値上がり — 原価28%が31%になると、月商700万円では月21万円の増。値上げできなければそのまま利益が消えます
- 設備の寿命がまとめて来る — 大箱は厨房機器もエアコンも台数が多く、10年目前後に更新が重なります。月35万円の修繕積立をサボると、ここで現金が尽きます
4つとも「頑張りが足りない」話ではありません。固定費が大きい業態では、売上が1割落ちると利益は半分以下になるという算数です。飲食店全体の費用構造をもっと細かく追いたい方は、カフェのフランチャイズは儲かる?加盟金150万円・席数課金ロイヤリティで利益はどう変わるかで同じ引き算をしています。
数字が全部出ているカフェFCと並べて考える
コメダの数字は仮置きですが、金額を全部公表しているカフェ系FCもあります。比べると「何を聞けばいいか」が見えてきます。
| コメダ珈琲店(編集部逆算) | ジェリーの謎解きカフェ(本部公表) | ANELLA CAFE(本部公表) | |
|---|---|---|---|
| モデル月商 | 700万円(仮に置いた値) | 東京198万円/地方都市173.2万円 | 400万〜500万円 |
| 返済前・税前に残る額 | 57.5万円(編集部逆算) | 東京63.8万円(32.2%)/地方69.5万円(40.1%) | モデル134.9万円 |
| 返済後に残る額 | 約31.8万円(借入4,000万円と仮定) | 本部未公表 | 本部未公表 |
| 自分の人件費の扱い | 含まず(自分が店長の前提) | 本部未公表 | 本部未公表 |
| 初期費用 | 本部が個別提示(公表なし) | 約930万円(全日運営) | 1,100万円 |
| 加盟金 | 本部が個別提示(公表なし) | 150万円 | 400万円 |
| ロイヤリティ | 席数課金方式(単価は要確認) | 席数×3,000円/月+システム費3万円/月 | 売上の8% |
| 投資回収目安 | 本部未公表 | 約1年1か月〜1年3か月 | 本部未公表 |
出典:各本部公表値(2026年9月時点)。金額は時期により変動します。最新情報は必ず公式サイトで確認してください。 → ジェリーの謎解きカフェ / ANELLA CAFE
並べて見ると、投資額の桁が違うことがわかります。コメダ型は数千万円を入れて月商700万円を狙う設計、ジェリーの謎解きカフェは約930万円を入れて月商173万〜198万円を狙う設計です。残る金額はどちらも月60万円前後。つまり、同じ手取りでも背負うリスクの大きさがまったく違うということです。
投資額の大きい契約が悪いわけではありません。大きく入れた店は、売上が伸びたときの上限も高くなります(月商900万円なら月125.5万円)。自分が「上限の高さ」を取りにいくのか、「下振れの浅さ」を取りにいくのか。ここを決めないまま比較しても答えは出ません。
なお、ブランドが有名で加盟条件が個別提示になるタイプは、他業種でも同じ読み方をします。同じ手順で逆算した記事としてマクドナルドのフランチャイズオーナーの年収もあります。
まとめ|コメダで年収を見るときの3つの順番
最後に、判断の順番だけ間違えないでください。
- 席あたり月商から入る — 「月商いくら?」ではなく「何席で、1席あたり月いくら?」。席数×7万円が、この記事の逆算での目安ラインです
- 自分の給料を費用に入れてから比べる — 本部のモデル利益にオーナーの給料は入っていないのが普通です。店長を雇ったらいくら残るかで見ると、会社員を続ける選択肢と初めて同じ土俵に乗ります
- 多店舗化は「1店舗を伸ばしきってから」 — 同じ月商のまま2号店を出すと、店長人件費と返済で手取りは減ります
そして、本部から提示された数字が出てきたら、この記事の表の数字を全部入れ替えて計算し直してください。ここに書いたコメダの金額は、あくまで構造を説明するために仮に置いたものです。
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