フランチャイズ

焼肉のフランチャイズは儲かる?|投資5倍でも利益は約2倍、500万円モデルと2,500万円モデルの分かれ道

2026/9/15 更新

焼肉のフランチャイズは儲かる?|投資5倍でも利益は約2倍、500万円モデルと2,500万円モデルの分かれ道

焼肉のフランチャイズ(FC)を調べていると、「初期費用500万円」と「初期費用2,500万円」という、5倍も違う募集が並んで出てきます。

同じ焼肉なのに、なぜこんなに差があるのか。そして、5倍のお金を出したら5倍儲かるのか。

結論から言うと、投資額は5倍でも、本部が公表している利益は約2倍です。この非対称が、焼肉FCを選ぶときの最大の分かれ道になります。

この記事では、実際に加盟募集をしている2ブランドの公表数値を使って、「売上」ではなく「返済したあと、税金を払う前に手元に残る額」まで逆算します。地方在住で飲食未経験の方でも判断できるよう、専門用語には説明を添えました。

※フランチャイズ(FC)=本部のブランド名・メニュー・仕入れルート・運営ノウハウを借りて店を出す仕組み。その対価として加盟金とロイヤリティを払います。


結論|焼肉のフランチャイズで手元に残るのは月67万円と月112万〜152万円

まず数字を並べます。本部が公表している条件と、そこから編集部が計算した「返済後に残る額」です。

項目焼肉タン革命大衆焼肉 たきち
初期費用(本部公表)500万円2,500万円
加盟金100万円150万円
ロイヤリティ売上の5%売上の5%+月3万円
モデル月商300万〜500万円600万〜700万円
①返済前・税前に残る額(本部公表の月間利益)月70万円〜月130万〜170万円
②借入返済後に残る額(編集部逆算)月 約67万円月 約112万〜152万円
③自分(オーナー)の人件費の扱い本部未公表本部未公表
投資回収の目安(編集部逆算)約7.1か月約14.7〜19.2か月

→ 焼肉タン革命の詳細 / 大衆焼肉 たきちの詳細

②の計算の前提(編集部逆算)

  • 焼肉タン革命:自己資金150万円+借入350万円、年利2%・10年返済 → 月々の返済 約3.2万円
  • 大衆焼肉 たきち:自己資金500万円+借入2,000万円、年利2%・10年返済 → 月々の返済 約18.4万円

ここで必ず押さえてほしいのが③の行です。本部が出す「月間利益70万円」「月間利益130万円」は、オーナー自身の給料を引く前の数字なのかどうかが公表されていません。

もしオーナーが店に毎日立って、その労働の対価がこの70万円に含まれているなら、それは「事業の利益」ではなく「あなたの給料」です。ここを確認しないまま「月70万円儲かる」と受け取ると、判断を大きく間違えます。面談で最初に聞くべき質問はこれです。

また、②はまだ税金を払う前の金額です。個人事業なら所得税・住民税・国民健康保険、法人なら法人税などがここから引かれます。

※金額はすべて本部公表値です。時期により変動するため、最新の条件は必ず公式サイトと募集資料で確認してください。


内訳を分解する|月商400万円の焼肉店から、いくら残るのか

「月商400万円」と聞くと大金に思えますが、そのお金がどこへ消えるのかを見ていきます。焼肉タン革命のモデル月商(300万〜500万円)の真ん中、月商400万円で計算しました。

項目売上に対する割合金額
食材原価(肉・野菜・米・ドリンク)35%140万円
人件費(アルバイト・社員)25%100万円
家賃8%32万円
水道光熱費6%24万円
ロイヤリティ5%20万円
その他(消耗品・広告・保険・通信など)5%20万円
経費合計84%336万円
①返済前・税前に残る額16%64万円
②借入返済後(月3.2万円)—約61万円
③自分の人件費—含まず

(編集部逆算。経費率は飲食店の一般的な水準をもとに置いた仮定です)

本部公表の「70万円」と、逆算の「64万円」の差をどう見るか

編集部の逆算では月商400万円で64万円。本部公表は「月70万円〜」。6万円ズレます。

これは本部が嘘をついているという話ではありません。考えられるのは次のどれかです。

  • 本部の70万円は、月商450万〜500万円のときの数字
  • 家賃がもっと安い物件(地方ロードサイドなど)を前提にしている
  • 人件費率が25%より低い設計になっている(焼肉は客が自分で焼くため、調理スタッフを薄くできる)

だから面談では、「その月70万円は、月商いくらのとき・家賃いくら・人件費率何%で計算した数字ですか」と聞いてください。この一問で、本部の誠実さがかなり分かります。

大衆焼肉 たきちの場合(月商650万円)

項目割合金額
食材原価35%227.5万円
人件費25%162.5万円
家賃8%52万円
水道光熱費6%39万円
ロイヤリティ(5%+3万円)—35.5万円
その他5%32.5万円
経費合計—549万円
①返済前・税前に残る額約15.5%約101万円
②借入返済後(月18.4万円)—約83万円
③自分の人件費—含まず

(編集部逆算)

こちらは本部公表の「月130万〜170万円」と、逆算の「約101万円」で29万〜69万円の開きがあります。差が大きいぶん、確認は重要です。大衆業態は注文タブレットやセルフ配席で人件費率を下げていたり、郊外ロードサイドで家賃比率が低かったりします。その前提を本部から引き出せるかどうかが、判断の質を決めます。

なお、原価率や人件費率といった飲食店に共通するコスト構造の基本は、飲食店のフランチャイズは儲かるのかで詳しく分解しています。ここでは焼肉に固有の話に字数を使います。

お金の内訳を計算するイメージ


投資5倍でも利益は約2倍|回収期間では小型モデルが有利になる

ここがこの記事の中心です。2つのモデルを、投資効率で並べ直します。

焼肉タン革命大衆焼肉 たきち倍率
初期費用500万円2,500万円5.0倍
本部公表の月間利益(上限側)月70万円〜月170万円約2.4倍
投資回収の目安(編集部逆算)約7.1か月約14.7〜19.2か月約2〜2.7倍
借入2,000万円超の個人保証不要になりやすいほぼ必須—

投資は5倍、利益は約2倍。つまり1円あたりの効率でいえば、小型モデルのほうが2倍以上よいという計算になります。

では大型モデルに意味がないのかというと、そうではありません。違いはこうです。

小型モデル(500万円)が向く人

  • 自己資金が150万〜200万円程度
  • まず1店舗で生活費を稼ぎたい
  • 失敗したときの傷を浅くしたい
  • 席数が少ないぶん、自分と家族+アルバイト数名で回せる体制を作れる

大型モデル(2,500万円)が向く人

  • 自己資金500万円以上、または担保・保証人の目処がある
  • すでに他事業があり、法人として二本目の柱を作りたい
  • 「月70万円」ではなく「月150万円」の絶対額が必要
  • 自分は現場に立たず、店長を雇う前提で考えている

大型モデルの本当の強みは、利益の絶対額が大きいことです。人を雇って自分が現場を離れても事業が回る可能性があるのは、月130万〜170万円という厚みがあるからです。月70万円の店で店長を雇うと、その人件費だけで利益の半分近くが消えます。

一方で、2,000万円を超える借入には個人保証(事業が返せなくなったとき、あなた個人が返す約束)が付くのが普通です。うまくいかなかったときに背負う額が、5倍のまま残ります。


下振れ条件|月商が2割・3割落ちた日に、手取りはどうなるか

開業前の計算で一番危ないのは、「モデル月商が毎月出続ける」という前提で考えてしまうことです。焼肉は金・土・日の夜に売上が集中する業態なので、天候・連休の並び・近隣の競合出店で月単位の売上は簡単に上下します。

両モデルを**同じ利益率の前提(編集部逆算ベース)**で下振れさせると、こうなります。家賃は固定、人件費はシフトを削っても全部は減らせない、という現実的な減り方で計算しました。

焼肉タン革命(基準:月商400万円)

売上の状況月商①返済前・税前②返済後③自分の人件費
モデルどおり400万円64万円約61万円含まず
2割ダウン320万円34万円約31万円含まず
3割ダウン280万円18万円約15万円含まず

大衆焼肉 たきち(基準:月商650万円)

売上の状況月商①返済前・税前②返済後③自分の人件費
モデルどおり650万円約101万円約83万円含まず
2割ダウン520万円約47万円約29万円含まず
3割ダウン455万円約21万円約3万円含まず

(いずれも編集部逆算。本部公表の利益率で計算すればもっと良い数字になりますが、前提が非公表のため、両ブランドを同じ条件で比較できる編集部の逆算値を使っています)

見てほしいのは3割ダウンの行です。

  • 小型モデル:手取り約15万円。苦しいが、生き延びられる
  • 大型モデル:手取り約3万円。返済18.4万円がそのまま重りになって、ほぼゼロ

投資額が大きいほど、悪い月のダメージが直撃します。これが「投資5倍・利益2倍」の裏側にあるリスクです。

事業計画を作るときは、モデル月商だけでなく2割減・3割減の3パターンで必ず計算してください。そして「3割減が半年続いても運転資金が尽きないか」を確認します。目安として、初期費用とは別に3〜6か月分の固定費(家賃・人件費・返済)を運転資金として持つ設計にしておくと安全側に倒せます。


焼肉だけの落とし穴①|排気ダクトとロースターが、物件を決めてしまう

焼肉が他の飲食業態と決定的に違うのが、煙です。これが物件選びと初期費用の両方を縛ります。

無煙ロースター(テーブルに埋め込む焼き台。煙を下や上から吸い込む装置)と、吸い込んだ煙を建物の外に出すダクト(排気管)工事。この2つが焼肉店の設備費の中心です。

ここで起きることは、おおむね次の4つです。

  1. 排気が出せない物件は、そもそも契約できない ビルの2階以上、上階が住居、商業ビルの区画などは、屋上まで排気ルートを通す許可が取れないことがあります。「立地は最高なのに焼肉ができない物件」は珍しくありません。
  2. スケルトンからだと設備工事だけで数百万円規模になりうる 何もない状態(スケルトン)から、ロースター・給排気ダクト・グリストラップ(油を分離する装置)・ガス容量・電気容量まで一式を入れると、内装費とは別に大きな費用が乗ります。
  3. だから「元焼肉店の居抜き」が圧倒的に有利 初期費用500万円という金額が成立しているモデルは、小型・席数少なめ・居抜き前提である可能性が高いと考えるのが自然です。ここは本部に直接確認してください。
  4. 近隣クレームは開業後に効いてくる ニオイと煙は、隣接する住戸や店舗との関係に直結します。契約前に周囲の建物用途を自分の足で確認しておく価値があります。

初期費用に「入っていないもの」を洗い出す

募集ページの「初期費用500万円」「2,500万円」に、次のどれが含まれているかを項目ごとに聞いてください。含まれていない項目が多いと、実際に必要な資金は表示額の1.3〜1.5倍になることがあります。

確認項目含まれる?
加盟金・研修費
内装工事費
厨房機器
無煙ロースター本体
給排気ダクト工事
物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料)
看板・サイン工事
開業前の販促費
運転資金(3〜6か月分)

この表を印刷して、面談で1行ずつ埋めるだけでも、判断の精度がまったく変わります。

物件の見方そのものは居抜き物件のチェックリストにまとめてあります。


焼肉だけの落とし穴②|肉の相場と「一品目依存」

焼肉は、売上の大部分が肉という1カテゴリで決まります。ここが他業態との違いです。

タン特化モデルの強みと弱み

焼肉タン革命のようにタンを看板にする業態は、「この店に行く理由」が明確でお客さんに覚えてもらいやすい、という強みがあります。

一方で、牛タンは国産の供給量が限られ、輸入に頼る部位です。為替の動きや海外の需要で仕入れ価格が上下すると、それが原価率に直撃します。売上が1品目に集中しているぶん、相場が上がったときに逃げ場が少ないのです。

取れる手は「値上げする」か「原価率の悪化を飲む」かのほぼ二択。だからこそ、次の3点を契約前に確認します。

仕入れについて本部に聞く3つ

  1. 仕入れは本部指定の業者のみか、他からも買えるか 指定のみの場合、相場が下がっても安く買える余地がありません。
  2. 相場が上がったとき、本部の卸値はどう改定されるか 「据え置く」のか「そのまま転嫁する」のか。ここがオーナーの利益を左右します。
  3. メニュー価格を変える権限は、本部と加盟店のどちらにあるか 原価が上がったときに値上げできないと、利益だけが削れていきます。

FCに加盟する大きなメリットの一つが「本部のまとめ買いによる仕入れの安さ」です。ただしそれは仕入れ価格の決定権を本部に預けることとセットです。メリットと引き換えに何を渡しているのかを、契約書の条文で確認してください(契約書の読み方はFC契約書チェックの使い方にまとめています)。

焼肉ならではのコスト:電気とガス

無煙ロースター、排気ファン、そして煙と熱を処理するための空調。焼肉店は同規模の他業態よりエネルギーコストが重くなりやすい業態です。内訳表で水道光熱費を6%と置いたのはそのためです(一般的な飲食店では4〜5%で見ることもあります)。電気・ガス料金が上がる局面では、ここが静かに利益を削ります。


評判の確かめ方|本部に聞く8問と、既存オーナーに聞く3問

「◯◯FC 評判」で検索しても、出てくるのは匿名の口コミばかりで、良いも悪いも判断がつきません。評判は検索するものではなく、聞き出すものです。

本部に聞く8つの質問

#質問この質問で分かること
1その月間利益は、月商いくら・家賃いくら・人件費率何%の前提ですかモデルの現実味
2その利益に、オーナー自身の人件費は含まれていますか③の行が埋まる
3直近3年の加盟店数の推移と、閉店・契約解除の件数はブランドの健康状態
4初期費用に含まれる項目・含まれない項目の明細をください本当に必要な資金
5ロイヤリティの計算のもとは総売上ですか、粗利ですか。値引き分はどう扱いますか実質負担
6契約期間・中途解約の違約金・更新料はいくらですか出口のコスト
7テリトリー権(近くに同ブランドが出ない約束)はありますか将来の売上リスク
8開業後のスーパーバイザー訪問は月何回で、何をしてくれますか支援の実態

このうち3番と6番を渋る本部は、慎重に見たほうがいいというのが編集部の実感です。伸びている本部ほど、閉店数も含めて数字を出してきます。

既存オーナーに聞く3つの質問

本部に「加盟店オーナーを1人紹介してください」とお願いしてみてください。断られるかどうかも含めて情報になります。会えたら、これを聞きます。

  1. 一番きつかった月の月商はいくらで、そのとき手元にいくら残りましたか
  2. 本部の説明と実際で、違った点はどこですか
  3. もう一度ゼロから選ぶとして、同じブランドにしますか

3番に即答で「はい」と返ってくるかどうかは、どんな口コミサイトより正直な指標です。

同業の加盟オーナーがどう判断したかは、加盟オーナーインタビューも参考になります。

資金はどう用意するか

500万円モデルなら自己資金150万〜200万円、2,500万円モデルなら自己資金500万円以上が、金融機関との話を進めやすい目安です。開業資金の借入では日本政策金融公庫が最初の相談先になることが多く、制度の中身は日本政策金融公庫の創業融資にまとめています。融資制度の条件は変わるため、最新情報は必ず公式サイトで確認してください。


背景|焼肉FCが今、未経験者に検索されている理由

最後に、数字の外側の話を短く。

飲食店の全国事業所数は499,193事業所。これは全97産業の中で最も多く、全事業所5,287,701のうち**9.4%**を占めます(出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和3年経済センサス-活動調査」を加工して作成)。それだけ参入しやすく、それだけ競争も激しい市場だということです。

その中で焼肉が未経験者の候補に挙がりやすいのは、お客さんが自分で焼くという構造上、厨房で料理人が仕上げる業態に比べて調理スタッフを薄く組めるからです。人手の確保が難しい地方ほど、この差は効きます。「調理経験がなくても始められそう」という直感が、検索につながっています。

ただし、その直感が当たっているのはオペレーション(店の回し方)の部分だけです。この記事で見てきたとおり、焼肉には排気設備という物件の制約と、肉相場という原価の変動が別にあります。楽な部分と難しい部分は、同じ場所にはありません。

焼肉FCを検討する順番

  1. 自己資金と、借りられる額をはっきりさせる → どちらの投資階層かが決まる
  2. 候補地で「排気を出せる物件」が実在するか調べる → ここで消える候補は多い
  3. 本部に8つの質問をぶつけ、③の行(オーナー人件費)を埋める
  4. モデル月商・2割減・3割減の3パターンで手取りを計算する
  5. 既存オーナーに3つの質問をする

この順番を飛ばして「月70万円」だけで決めてしまうのが、いちばん多い失敗です。


まとめ

  • 焼肉FCには500万円モデルと2,500万円モデルという2つの投資階層がある
  • 返済後・税前に残る額は、編集部逆算で月約67万円 / 月約112万〜152万円
  • 投資は5倍でも利益は約2倍。投資効率では小型が有利、利益の絶対額では大型が有利
  • 月商3割減で、小型は手取り約15万円、大型は約3万円。下振れは大型ほど重い
  • 本部公表の利益にオーナー自身の人件費が含まれるかは両ブランドとも未公表。ここを最初に聞く
  • 焼肉固有のリスクは**排気ダクト(物件が決まらない)と肉相場(原価が動く)**の2つ
  • 数字はすべて本部公表値。最新の条件は必ず公式サイトと募集資料で確認を

より基礎から「焼肉店そのものの採算構造」を知りたい方は焼肉屋は本当に儲かるのかを、大手ブランドの検討中の方は牛角のフランチャイズ加盟を考える前にもあわせてどうぞ。

自分の候補地と自己資金に置き換えたときにこの数字がどう変わるか整理したい方は、無料LINE相談もあります。「この初期費用に運転資金は入っていますか」「この物件で排気は出せますか」といった1点だけの確認でも構いません(相談は無料・しつこい勧誘はありません)。

まずは条件を横並びで見比べたい方は、フランチャイズ一覧で各ブランドの初期費用・ロイヤリティ・収支モデルを確認してみてください。

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