フランチャイズ

居酒屋のフランチャイズは儲かる?加盟金100万〜300万円・原価率11ポイント差で手取りが決まる構造

2026/9/19 更新

居酒屋のフランチャイズは儲かる?加盟金100万〜300万円・原価率11ポイント差で手取りが決まる構造

居酒屋のフランチャイズは儲かる?結論は返済前・税前で月60万〜300万円

先に結論を書きます。居酒屋系フランチャイズ(以下FC)の本部が公表しているモデル値を並べると、店に残る利益は月60万円から月300万円まで開きます。ただしこの金額は、ほとんどの本部で「借入の返済を引く前・税金を引く前・自分の給料を含まない」数字です。そのまま生活費として使える額ではありません。

まず3ブランドを横に並べます。

大衆酒場 むに大衆酒泉テルマエたこ焼き酒場たこまる
業態食べ飲み放題の大衆居酒屋卓上の蛇口でハイボールを注ぐ銭湯酒場たこ焼きを主力にした小箱の大衆酒場
初期費用1,630万円1,926万円890万円(10坪店舗)
加盟金150万円300万円100万円
ロイヤリティ売上の5%売上の3%売上の5%
モデル月商月商1,200万円(平均店1,224万円)月商600〜1,200万円(平均店829万円)月商350〜500万円(10坪で377万円)
返済前・税前に残る額月300万円(平均店269万円)月120〜240万円(平均店155万円)月60〜120万円
返済後に残る額本部未公表。編集部逆算で月約248万〜279万円本部未公表。編集部逆算で月約95万〜215万円本部未公表。編集部逆算で月約49万〜109万円
自分の人件費の扱い本部未公表(利益に含まれている前提で読む)本部未公表本部未公表
投資回収期間1年半年〜1年半2年

「返済後に残る額」は、初期費用の全額を年利2%・7年返済で借りたと仮定した**(編集部逆算)**です。この条件だと毎月の返済は、むに約20.8万円、テルマエ約24.6万円、たこまる約11.4万円になります。自己資金の割合や金利が変われば数字も変わるので、自分の条件で引き直してください。

ロイヤリティとは、看板やノウハウを使う対価として毎月本部に払うお金のことです。3社とも売上に対する%で決まる方式なので、売上が落ちれば支払いも減ります。

内訳を分解する|月商1,224万円のむにから利益269万円が残るまで

一番規模の大きいむにの平均店で、お金がどこへ消えるかを追います。

項目金額(月)売上に対する割合
売上1,224万円100%
食材原価約400万円32.7%
ロイヤリティ(売上の5%)約61万円5.0%
その他(人件費・家賃・水道光熱費など)約494万円(編集部逆算)約40.3%
返済前・税前に残る額269万円22.0%
返済後に残る額約248万円(編集部逆算)20.3%
自分の人件費の扱い本部未公表—

本部が公表しているのは売上・原価率・ロイヤリティ・利益の4つで、人件費と家賃の内訳までは出ていません。そこで残りをまとめて「その他」として逆算しました。売上の4割がここに入っている計算になります。

ここで大事なのは、「その他」の大部分が固定費だという点です。固定費とは、売上が増えても減ってもあまり変わらない費用のこと。家賃も社員の給料も、お客さんが半分になったからといって半分にはなりません。居酒屋の採算がぶれるのは、この固定費の重さが原因です。

お金の内訳を分解するのイメージ

下振れするのはどこか|売上が2割落ちると利益は6割近く消える

上のむにのモデルで、売上だけを落として計算してみます。原価とロイヤリティは売上に連動して減り、固定費494万円は据え置きという前提です。

平均店どおり売上が20%減売上が30%減
月商1,224万円979万円857万円
返済前・税前に残る額269万円約116万円(編集部逆算)約40万円(編集部逆算)
返済後に残る額約248万円(編集部逆算)約95万円(編集部逆算)約19万円(編集部逆算)
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表本部未公表

売上が2割減っただけで、残る額は269万円から116万円へ約57%減。3割減ると、返済後には月19万円しか残りません。売上の下がり方より、利益の下がり方のほうがずっと急です。

実際に下振れを起こす原因は、だいたい次の3つに絞られます。

  1. 席が埋まらない——居酒屋は金曜と土曜に売上が偏ります。平日の入りが想定より2割低いだけで、月商は一気に下がります。
  2. 人が採れず、時給を上げる——地方でも深夜まで働けるアルバイトの確保は難しく、募集単価が上がると固定費が膨らみます。
  3. 開店景気が終わる——オープン直後の売上をそのまま12か月分に引き伸ばした計画は、ほぼ外れます。

居酒屋フランチャイズ固有の落とし穴4つ

他の飲食業態にはない、居酒屋ならではの注意点です。

  • 深夜0時を超えて酒を出すなら届出が別に必要——深夜0時から朝6時に主にお酒を提供する店は、飲食店営業許可とは別に「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を警察署へ出す必要があります。用途地域によっては営業できない場所もあるため、物件を決める前に確認してください(最新の要件は所轄警察署と自治体の公式情報で確認を)。
  • 深夜営業は人件費が割高になる——午後10時以降は深夜割増賃金が発生します。閉店時間を1時間延ばすかどうかは、売上だけでなく人件費とセットで判断する必要があります。
  • 団体客は売上も欠員リスクも大きい——8人予約が4人になれば、その日の売上計画は崩れます。宴会比率が高い店ほど、月の着地が読みにくくなります。
  • 食べ飲み放題は「客単価が固定される」——むにのように食べ飲み放題を柱にする業態は、客単価が上振れしません。売上を伸ばす手段が実質「客数」と「回転」だけになるので、席数と立地の設計が効いてきます。

ロイヤリティ3%と5%の差より、原価率11ポイントの差のほうが大きい

FCを比べるとき、多くの人がロイヤリティの%を最初に見ます。しかし居酒屋では、原価率の差のほうが金額としてはるかに大きいのが実情です。

むにテルマエ差
ロイヤリティ売上の5%売上の3%2ポイント
食材原価率32.7%21%11.7ポイント
返済前・税前に残る額月269万円(月商1,224万円)月155万円(月商829万円)—
返済後に残る額約248万円(編集部逆算)約130万円(編集部逆算)—
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表—

仮に月商800万円の店で考えると、ロイヤリティ2ポイントの差は月16万円。対して原価率11.7ポイントの差は月約94万円です。桁が違います。

テルマエの原価率が低いのは、努力ではなく設計によるものです。卓上の蛇口から自分でハイボールを注ぐセルフ飲み放題の業態で、ドリンクの比率が高い。飲み物は食材より原価率が低いので、飲みの比率が上がるほど全体の原価率は下がります。一方むには食べ飲み放題で料理の比率が高く、原価率も上がります。

つまりどちらが良い悪いではなく、「何を売る店か」で採算の形が最初から決まっているということです。加盟後の頑張りでは、この11.7ポイントはひっくり返せません。

投資890万円のたこまるが、1,630万円のむにより回収に時間がかかる理由

初期費用がいちばん安いのはたこまるの890万円です。ところが投資回収期間は、むに1年に対してたこまるは2年。安いほうが回収は遅いという逆転が起きています。

むにテルマエたこまる
初期費用1,630万円1,926万円890万円
返済前・税前に残る額月300万円(平均店269万円)月120〜240万円(平均店155万円)月60〜120万円
返済後に残る額約279万円(編集部逆算)約95〜215万円(編集部逆算)約49〜109万円(編集部逆算)
自分の人件費の扱い本部未公表本部未公表本部未公表
投資回収期間1年半年〜1年半2年

理由は単純で、投資が小さいぶん店も小さく、利益の絶対額も小さいからです。10坪の店で月商377万円なら、利益は月60万〜120万円。1,630万円を月300万円で割れば約5.4か月分、890万円を月90万円で割れば約9.9か月分——ここに開業後の立ち上がり期間が乗るので、公表値では1年と2年に分かれます。

ただし小さい投資には別のメリットがあります。失敗したときの傷が浅いこと、そして自己資金だけで届く可能性があることです。1,926万円のテルマエを借入中心で始めるのと、890万円のたこまるを始めるのとでは、背負うリスクの重さが違います。地方で初めての開業なら、まず「返せなくなったときにいくら残るか」から逆算するほうが安全です。

判断の順番としては、①自己資金でいくらまで出せるか → ②その投資額で届く業態はどれか → ③その業態の原価構造は自分の商圏に合うか、の3ステップで絞ると迷いにくくなります。

背景|居酒屋FCを検討する前に押さえておく基礎

飲食店は全国に499,193事業所あり、全産業の事業所数のうち9.4%を占めます(出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和3年経済センサス-活動調査」を加工して作成)。競合が多い業種だという前提だけ持っておけば十分で、市場全体の話より自分の商圏の話のほうが大事です。飲食店全般の収益構造は飲食店のフランチャイズは儲かる?、居酒屋という業種そのものの採算は居酒屋は本当に儲かるのかにまとめてあります。

開業に必要な手続きは、おおむね次のとおりです(自治体で細部が異なるため、必ず公式サイトで確認してください)。

項目内容
飲食店営業許可保健所へ申請。店舗の設備基準を満たす必要がある
食品衛生責任者店に1名必要。1日の講習で取得できる
防火管理者収容人数30人以上の店で必要
深夜酒類提供飲食店営業開始届深夜0時以降に主に酒を出す場合、警察署へ

用語も整理しておきます。加盟金は契約時に払う一時金で、原則として返ってきません。原価率は売上に対する食材費の割合。投資回収期間は、初期費用が利益で戻ってくるまでの期間で、返済や税金を含むかどうかは本部によって定義が違います。ここは説明会で必ず聞いてください。

まとめ|加盟前に確かめる5つのこと

  • 居酒屋FCの本部モデルで残る額は返済前・税前で月60万〜300万円。幅を作るのは店の規模と業態設計
  • 本部が出す利益には、借入返済・税金・自分の給料が入っていないことが多い。自分で引き算する
  • 売上が2割落ちると利益は約57%落ちる(むにモデルの編集部逆算)。固定費は売上ほど下がらない
  • ロイヤリティ2ポイントの差より、原価率11.7ポイントの差のほうが月約94万円も効く(月商800万円想定)
  • 初期費用が安い=早く回収できる、ではない。890万円のたこまるは2年、1,630万円のむには1年

数字は並べましたが、最後に効いてくるのは「自分の町で、その客数が金曜以外の日にも取れるか」です。ここだけは全国モデルの表からは出てきません。

想定している坪数・席数と、使える自己資金の額を送ってもらえれば、上の表と同じ形で一緒に引き算します。気軽に無料LINE相談を使ってください。掲載中の条件を先に見比べたい方はフランチャイズ一覧からどうぞ。

※本文中の金額はすべて各本部の公表値およびモデル値、または明記した編集部逆算で、収益を保証するものではありません。最新の条件は必ず各公式サイトで確認してください。

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