「丸亀製麺のフランチャイズって、儲かるのかな」
うどんの行列を見ながら、そう考えたことのある方は多いと思います。原価の安い小麦粉から作って、セルフサービスで人件費も抑えられて、しかもお客さんが並んでいる。数字の話をする前から「儲かりそう」に見える業態です。
ただ、「儲かるかどうか」は感覚では決まりません。売上がいくらで、そこから何がいくら引かれて、最後にいくら残るかを並べて、はじめて計算できます。この記事では、その計算に必要な数字を一つずつ挙げながら、丸亀製麺について公表されているものとされていないものを分けていきます。
先にお伝えしておくと、結論はあまり気持ちのいいものではありません。それでも、遠回りに見えて一番早い道です。
結論|丸亀製麺のフランチャイズは、儲かるかを計算する材料が公表されていない
フランチャイズ(FC=本部のブランドや商品、やり方を使わせてもらう代わりに、加盟金やロイヤリティを払う仕組み)で「儲かるか」を計算するには、最低でも次の6つの数字が要ります。
丸亀製麺について、それぞれの公表状況を整理しました。編集部が2026年8月時点で、一般の開業希望者向けに公開されている情報を確認した範囲です。
| 計算に必要な数字 | なぜ必要か | 丸亀製麺の公表状況 |
|---|---|---|
| ①加盟金 | 最初に本部へ払う、原則戻ってこないお金 | 本部未公表 |
| ②総投資額(内装・厨房設備・保証金など) | いくら借りるかが決まる | 本部未公表 |
| ③ロイヤリティ | 毎月ずっと本部へ払う費用。利益を直接削る | 本部未公表 |
| ④モデル店舗の月商 | 売上の出発点になる数字 | 本部未公表 |
| ⑤モデル店舗の営業利益 | 売上から経費を引いた残り | 本部未公表 |
| ⑥契約期間と更新条件 | 投資を回収しきる時間があるかの判断材料 | 本部未公表 |
6項目すべてが「本部未公表」です。1つでも埋まっていない項目があると試算は成り立ちませんが、この場合は1つも埋まりません。
ここで大事なのは、**「情報が少ない」のではなく「一般向けの加盟募集そのものが確認できない」**という点です。丸亀製麺を運営する株式会社トリドールホールディングスは、このブランドについて自社で店を出す形(直営)を中心に展開しており、編集部が確認した範囲では、個人の開業希望者に向けた加盟条件のページは見つかりませんでした。
つまり「丸亀製麺のフランチャイズは儲かるか」という問いは、今のところ答えが分からないのではなく、計算する土俵に上がっていないという状態です。
情報は変わります。加盟制度の有無や条件は、必ずトリドールホールディングスの公式サイトで最新の発表を確認してください。この記事の内容は執筆時点の確認結果です。
直営で伸ばすチェーンと、加盟店を募集するチェーンは「お金の出どころ」が違う
「なぜ募集していないの?」を理解しておくと、待つべきか諦めるべきかの判断がつきます。ここは丸亀製麺に限らず、チェーン店を見るときの物差しになります。
チェーンの広げ方には、大きく2つあります。
直営(ちょくえい)方式は、本部が自分のお金で店を出し、自分の社員で運営します。出店費用は全部本部の負担ですが、その店の利益も全部本部のものです。
フランチャイズ方式は、加盟した人が自分のお金で店を出し、自分で人を雇って運営します。本部は出店費用を負担しない代わりに、ロイヤリティを受け取ります。
| 直営 | フランチャイズ | |
|---|---|---|
| 出店のお金を出す人 | 本部 | 加盟者 |
| 店の利益を受け取る人 | 本部 | 加盟者(ロイヤリティ差引後) |
| 本部が得るもの | 店の利益そのもの | 加盟金・ロイヤリティ |
| 店ごとのやり方 | 本部が完全に決められる | 加盟者ごとにばらつきが出やすい |
| 出店スピード | 資金が続く範囲まで | 加盟者が集まれば速い |
どちらが優れているという話ではなく、「そのブランドが何を守りたいか」で選ばれます。
丸亀製麺が打ち出しているのは「店内での製麺」、つまり店の中で粉から麺を打ち、ゆでて出すというやり方です。この売りを維持するには、製麺の技術と、その日の気温・湿度に合わせた調整、専用設備の管理が、全店で同じ水準である必要があります。加盟者ごとにやり方がばらつくと、ブランドの一番の売りが崩れます。
一般論として、技術の再現性がブランド価値の中心にある業態ほど、直営で握る方が理にかなっています。逆に、本部が作ったものを届ける・並べるタイプの業態は、FC化しやすい傾向があります。
読者にとっての実務的な意味はシンプルです。「募集が始まるのを待つ」は計画になりません。 待っている間、家賃も生活費も出ていきます。募集の有無をチェックするのは月に1回で十分で、残りの時間は「今、条件が出ている選択肢」に使うほうが前に進みます。
店内製麺・セルフサービスの店は、コストのかかり方がふつうの飲食店と違う
もし将来、うどん業態で独立や加盟を検討するなら、この業態特有のコスト構造は先に知っておいた方がいいところです。ここは丸亀製麺に限らず、セルフうどん業態を見るときの共通ポイントになります。
飲食店の採算の基本(FL比率=材料費と人件費の合計を売上の何%に収めるか、など)は飲食店のフランチャイズは儲かる?にまとめてあるので、ここでは繰り返しません。うどん業態にだけ効いてくる4点に絞ります。
| コスト項目 | 何が違うか | 見落としやすいポイント |
|---|---|---|
| 製麺のスペースと設備 | 客席のほかに製麺・こね・ねかしの場所が要る | 同じ坪数でも客席が減る。坪あたりの売上が下がりやすい |
| 打ち立ての廃棄 | ゆで置き時間が短く、時間が過ぎた麺は出せない | 「安い小麦粉=原価が低い」で終わらせると、捨てる分の計算が抜ける |
| ピーク集中の人員 | 昼の1〜2時間に売上が偏る | その時間に合わせて人を置くと、暇な時間帯に人件費が余る |
| 天ぷら・トッピングのロス | セルフの棚に並べる=売れ残りが読みにくい | 品切れも機会損失。並べすぎも廃棄。ここの読みが利益を左右する |
セルフサービスは「注文と配膳の人手が減る」という点で確かに有利です。ただし減るのはホールの人件費だけで、厨房と製麺の人手は減りません。「セルフだから人件費が安い」と一言でまとめると、実態から離れます。
もう一点。うどんは一般に単価が低く、回転で稼ぐ商売です。単価が低いということは、客数が少し落ちたときの売上の下がり方が急になります。「1日の客数が2割減ったら、月の利益はどうなるか」を必ず計算しておく必要があります。
条件を公表している本部は、手取りの見え方がここまで違う

丸亀製麺の6項目がすべて空欄だったのに対し、条件を公表しているFCがどこまで書いているかを見ておきましょう。比べる相手を知らないと、「公表されていない」ことの重さが分かりません。
以下は編集部が本部公表値として確認した3ブランドです。業種はそれぞれ違うので、うどん業態の収益を推し量る材料にはなりません。あくまで**「開示されているとはどういう状態か」の見本**として読んでください。
| ブランドインパクト(ブランド品物販・EC) | Dr.Reset(リラクゼーション) | ビルパー(ビルメンテナンス) | |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 30万円〜(加盟金。店舗・オフィス費不要) | 約400万円 | 500万円 |
| 加盟金 | 30万円 | 120万円(+保証金30万円) | 0円 |
| ロイヤリティ | 月額固定5万円(売上連動なし) | 月10万円(定額) | 本部未公表 |
| モデル月商 | 月商100万円 / 月商200万円 | 月商140万円 | 月商60万〜80万円 |
| 返済前・税前に残る額(本部モデル) | 月9.5万円 / 月24.5万円 | 月30.5万円(営業利益モデル) | 月8.4万円〜 |
| 返済後に残る額 | 借入をしない場合は返済0 | 本部未公表(借入額により変動) | 本部未公表(借入額により変動) |
| 自分の人件費の扱い | 含まず(オーナー自身が運営し人件費0の前提) | 本部未公表 | 本部未公表 |
数字を読むときの注意点を3つ。
1. 「利益」に自分の給料は入っていません。 ブランドインパクトの月9.5万円は、オーナー本人が働いて人件費を0にした前提です。自分に月20万円払うなら、この利益からさらに引くことになります。ここを忘れると、生活が回らない計画ができ上がります。
2. 「返済前」と「返済後」は別物です。 400万円や500万円を借りて始めるなら、毎月の返済が利益から出ていきます。表の「返済前・税前」の行と、実際に自由に使えるお金は違います。
3. ロイヤリティの形で、下振れしたときの痛みが変わります。 定額(毎月いくら)は売上が伸びたときに有利ですが、売上が落ちても金額は減りません。売上比例(売上の何%)はその逆です。ブランドインパクトとDr.Resetはどちらも定額型なので、売上が半分になっても本部への支払いは減らないという点は押さえておくべきところです。
こうした「読み方」ができるのは、数字が出ているからです。丸亀製麺については、この読み方を始める手前で止まってしまいます。
※金額は本部公表値です。時期により変動する可能性があるため、検討時は各本部の公式情報でご確認ください。詳細はブランドインパクト、Dr.Reset、ビルパーの各ページにまとめています。
「丸亀製麺のような店」をやりたい人が選べる3つのルート
「丸亀製麺そのもの」が選べないとき、目的から逆算すると別の道が見えます。まず、自分がどれに近いかを確認してください。
| ルート | 向いている人 | ハードル | 条件の見えやすさ |
|---|---|---|---|
| ①うどん店を自分で開業する | 麺づくりや味に自分のこだわりがある | 製麺技術の習得と設備投資。集客も自力 | 自分で全部決める=すべて自分で調べる |
| ②条件を公表している麺類・飲食FCに加盟 | ブランドと仕組みを借りて早く始めたい | 加盟金・ロイヤリティの負担 | 高い(数字が出ている) |
| ③飲食にこだわらず、条件開示が明確なFCを選ぶ | 「うどんがやりたい」より「自分の店を持ちたい」が本音 | 業種へのこだわりを一度手放す必要 | 高い |
順番として現実的なのは、①〜③のどれかに絞る前に、自分の予算の上限を先に決めることです。
たとえば自己資金が300万円で、借入を含めて総額600万円までと決めたなら、初期費用500万円のFCは選べても、内装だけで1,000万円かかる路面のうどん店は最初から候補外になります。予算を先に決めると、選択肢は一気に絞れます。
なお、加盟条件が公表されていないチェーンは丸亀製麺だけではありません。同じ悩み方をする方が多いので、くら寿司のフランチャイズは加盟できる?や牛角のフランチャイズ加盟を考える前にも併せて読むと、「大手チェーンの募集がどうなっているか」の全体像がつかめます。
加盟金より先に見るべき3つの数字
条件が出ているFCを検討する段階になったら、多くの方が真っ先に加盟金を聞きます。気持ちは分かるのですが、加盟金は1回だけのお金です。何年も効いてくるのは別の数字です。
1つ目。モデル月商の根拠。「月商140万円」と書かれていたら、それが何店舗の平均なのか、上位店の数字なのかを聞いてください。「モデルケース」という言葉は、うまくいった店を指していることがあります。「加盟店全体の中央値はいくらですか」「開業1年目の平均はいくらですか」と聞くと、話が具体的になります。
2つ目。ロイヤリティの計算の元になるもの。「売上の5%」なのか「粗利(売上-仕入)の10%」なのか「定額で月10万円」なのかで、手元に残る額はまったく変わります。とくに売上の何%というタイプは、赤字の月でも払います。ここは契約書の文言まで確認する項目です。
3つ目。投資回収期間と契約期間の関係。 総額500万円を投じて、月の利益が返済前で8万円なら、単純計算で回収に62か月(5年強)かかります。契約期間が5年で更新に別途費用がかかるなら、回収し終わる前に契約の節目が来ることになります。この2つの年数は必ず並べて見てください。
計算そのものはFC投資回収シミュレーターで自分の数字を入れて確かめられます。契約書の読み方はFC契約書チェックの使い方に手順をまとめています。
よくある質問
Q. 丸亀製麺は、過去にフランチャイズを募集していたことはありますか? 編集部が確認できたのは現時点で公開されている情報のみで、過去の募集有無については確認できていません。過去に制度があったとしても、現在の条件とは限らないため、判断材料としては使わないことをおすすめします。
Q. 加盟金がいくらか、だいたいの相場から推測できませんか? できません。同じ飲食業でも、加盟金は業態と本部の方針で大きく違います。推測値で事業計画を作ると、その数字が一人歩きして、資金計画そのものが崩れます。詳しくはフランチャイズの加盟金とは?をご覧ください。
Q. 資金を用意して直接問い合わせれば、加盟できる可能性はありますか? 問い合わせること自体は自由ですが、そこに希望を置いた計画は立てないほうがいいです。返事が来るか、いつ来るかが読めないため、その間に他の準備が止まります。問い合わせは出しておいて、計画は別に進める。この二本立てが現実的です。
Q. 個人開業とFC加盟、どちらが向いていますか? 自分で決めたいことがどれだけあるかで変わります。メニュー・価格・内装を自分で決めたいなら個人開業、仕組みを借りて早く立ち上げたいならFCです。比較はフランチャイズと個人開業どっちがいい?にまとめました。
Q. 未経験でも飲食店のFCに加盟できますか? 本部によります。研修制度が整っているところもあれば、同業経験を条件にしているところもあります。募集要項の「加盟条件」欄に書かれていることが多いので、そこを確認してください。
まとめ|「儲かるか」は、数字が出ている相手としか計算できない
この記事の要点を整理します。
- 丸亀製麺のフランチャイズについて、儲かるかを試算するのに必要な6項目(加盟金・総投資額・ロイヤリティ・モデル月商・モデル営業利益・契約期間)は、いずれも一般向けには公表が確認できませんでした
- 店内製麺という売りを守るうえで、直営中心の展開は理にかなっており、「募集が始まるのを待つ」は計画になりません
- うどん業態には、製麺スペース・打ち立ての廃棄・ピーク集中の人員・トッピングのロスという固有のコスト構造があります
- 条件を公表しているFCなら、初期費用・ロイヤリティ・モデル月商・返済前の利益まで数字で並べられます。ただし「利益に自分の給料は入っていない」ことは共通の注意点です
- 検討段階では、加盟金より先に「モデル月商の根拠」「ロイヤリティの計算の元」「回収期間と契約期間の関係」を確認してください
情報が出てこないチェーンを追いかけている時間は、条件が出ている選択肢を比べる時間に振り替えたほうが、判断は確実に早く進みます。
まずは自分の予算と生活スタイルから、どんな開業のかたちが合いそうかを確かめるところからで大丈夫です。開業診断は3分ほどで終わります。
「この初期費用に内装は入っているのか」「自分の貯金額でどこまで狙えるのか」といった具体的な疑問は、無料LINE相談でも受け付けています。まだ何も決まっていない段階のご質問で構いませんし、しつこい勧誘はありません。数字を一緒に並べてみるだけでも、次にやることがはっきりします。
本記事の内容は2026年8月時点で編集部が確認した情報に基づきます。各社の制度・金額は変更される可能性があるため、検討時は必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
LINE友だち限定特典
非公開のビジネスプランと
未公開物件情報をお届け
サイトには載せられない非公開FC案件・優良物件・最新補助金情報を、LINE友だち限定で先行配信。登録は10秒、いつでも解除できます。
